最新記事
中国失業

中国雇用「35歳の呪い」、レジ係募集広告が炎上、閲覧数1億4000万件に

2024年3月26日(火)11時38分

3月25日、 中国のソーシャルメディアに18─30歳のレジ係を募集するスーパーマーケットの求人広告が投稿され、「中年の失業」を巡る議論に火が付いている。写真は2月、北京で開かれた就職フェアの会場で撮影(2024年 ロイター/Ellen Zhang)

中国のソーシャルメディアに18─30歳のレジ係を募集するスーパーマーケットの求人広告が投稿され、「中年の失業」を巡る議論に火が付いている。

同国では今後数年で数千万人の大学卒業者が社会に出る見通しで、若者の失業増大が懸念されているが、30歳以上も厳しい就職難に直面している。

 

話題を呼んでいるのはソーシャルメディア「微博(ウェイボー)」に投稿された浙江省寧波市に住むある投稿者のコメント。18─30歳のレジ係を募集するスーパーの求人広告の写真とともに「厳しいです。職探しは簡単だと思いますか」と就職難を嘆いている。

閲覧数は1億4000万件を超え、4万1000件の反響が寄せられた。感情的なコメントも多い。

ある投稿者は、つらい表情をした絵文字と共に「昔は35歳を超えると、職探しが難しくなったのでしょうか。今は30歳です。その一方で定年は先延ばしにされています。その間、どうすればいいのでしょう」とコメントした。

国営メディアによると、中国政府は高齢化が急速に進む中、退職年齢の段階的な引き上げを計画中。現在の退職年齢は男性が60歳、女性はホワイトカラーが55歳、工場勤務が50歳と、世界有数の低さとなっている。今後の具体的な計画はまだ発表されていない。

国営メディアは昨年、「35歳の呪い」という言葉で広く知られるようになった低賃金の若者を雇用する「差別的」な慣行を批判した。

ウェイボーには「私は29歳。卒業後3回、解雇された。未婚で子供がいないと履歴書に書いても何の返答もない」とのコメントも寄せられている。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

202404300507issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年4月30日/5月7日号(4月23日発売)は「世界が愛した日本アニメ30」特集。ジブリのほか、『鬼滅の刃』『AKIRA』『ドラゴンボール』『千年女優』『君の名は。』……[PLUS]北米を席巻する日本マンガ

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:「豪華装備」競う中国EVメーカー、西側と

ビジネス

NY外為市場=ドルが158円台乗せ、日銀の現状維持

ビジネス

米国株式市場=上昇、大型グロース株高い

ビジネス

米PCE価格指数、インフレ率の緩やかな上昇示す 個
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 4

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 5

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」…

  • 6

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 7

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 8

    アカデミー賞監督の「英語スピーチ格差」を考える

  • 9

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 4

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 5

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 8

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 9

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 10

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中