最新記事
ウクライナ戦争

今年2機目、ロシアの早期警戒管制機「A-50」墜落現場に猛烈な炎と巨大な煙 露ブロガーは「味方の誤射」と主張

Ukraine Shoots Down Second Highly Advanced Russian A-50 Spy Plane

2024年2月28日(水)14時10分
カイトリン・ルイス
ロシアの早期警戒管制機A-50

ロシアの早期警戒管制機A-50(2014年5月、セバストポリにて撮影) vaalaa-Shutterstock

<23日遅くに1機のA-50がアゾフ海に墜落。墜落現場の火災と煙を捉えた映像が拡散されている>

ウクライナ空軍は、自軍の戦闘機が23日にロシアの早期警戒管制機「A-50」を撃墜したと発表した。ウクライナの主張通りなら、同軍は、ロシア軍にとって重要なこの偵察機を今年に入ってすでに2機破壊したことになる。

【動画】猛烈な炎、立ち上る巨大な煙...A-50墜落現場を捉えた劇的映像

A-50はロシアの航空機メーカー「ベリエフ」が開発した早期警戒管制機で、ロシア軍がウクライナの防空体制を監視するために使用している。定員は15人で、製造コストは推定3億ドル超だ。

ロシアおよびウクライナ両国からの報告によれば、23日遅くに1機のA-50がアゾフ海に墜落した。ウクライナ当局はA-50の破壊を自国の手柄としているが、ロシアの軍事ブロガーの中には「味方による誤射」で墜落したと主張する者もいる。

ウクライナ空軍司令官のミコラ・オレシチュク中将はテレグラムでA-50の撃墜を発表し、自軍の情報部門と「この結果をもたらしてくれたすべての人」に感謝した。ウクライナ軍最高司令官に任命されたばかりのオレクサンドル・シルスキーはフェイスブックで、「ロシア機を敵兵もろとも破壊できたことは大きな名誉だ」と述べた。

オレシチュクの発表直後、ロシアの国営通信社RIAノーボスチはテレグラムで、アゾフ海に面するロシア南東部のカネフスキー地区に「国籍等不明の航空機」が墜落したと発表した。ノーボスチはその後、地元当局の情報として、2機の航空機がこの地域に墜落し、墜落現場で炎が目撃されたと報じている。

A-50墜落の動画もソーシャルメディアで共有された。ウクライナの軍事ブロガー、イーゴリ・スシュコがX(旧ツイッター)に投稿した動画では、航空機が「すぐ近く」に墜落して「大爆発」が起きている、と撮影者が語っている。この動画には、墜落現場から大きな炎と煙が立ち上る様子が収められている。

オレシチュクもテレグラムで墜落の動画を公開しており、こちらは遠方で燃え上がる炎を映し出している。

ウクライナ当局は1月14日にも、アゾフ海上空でA-50を撃墜したと主張している。ロシアの一部の軍事ブロガーたちも報告しているこの攻撃では、ロシアの空中指揮機「イリューシン22(Il-22M)」も破壊された。当時、ロシアのドミトリー・ペスコフ報道官は報道陣に、「ウクライナ軍がロシア機を撃墜したという情報はない」と述べていた。

(翻訳:ガリレオ)

ニューズウィーク日本版 世界最高の投手
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年11月18日号(11月11日発売)は「世界最高の投手」特集。[保存版]日本最高の投手がMLB最高の投手に―― 全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の2025年

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

トヨタ、米に今後5年で最大100億ドル追加投資へ

ワールド

ウクライナ・エネ相が辞任、司法相は職務停止 大規模

ワールド

ウクライナ・エネ相が辞任、司法相は職務停止 大規模

ワールド

米財務長官、農産物値下げで「重大発表」へ コーヒー
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 2
    ファン激怒...『スター・ウォーズ』人気キャラの続編をディズニーが中止に、5000人超の「怒りの署名活動」に発展
  • 3
    炎天下や寒空の下で何時間も立ちっぱなし......労働力を無駄遣いする不思議の国ニッポン
  • 4
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 5
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 6
    ついに開館した「大エジプト博物館」の展示内容とは…
  • 7
    冬ごもりを忘れたクマが来る――「穴持たず」が引き起…
  • 8
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 9
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 10
    「麻薬密輸ボート」爆撃の瞬間を公開...米軍がカリブ…
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 4
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 5
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 6
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 10
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 10
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中