Su-34戦闘爆撃機3機が撃墜された後、ロシア軍が空爆の規模を縮小。ウクライナの防空システムを警戒か
Russia Pulling Back on Air Strikes After Series of Plane Losses: Kyiv
戦勝記念日の軍事パレードでモスクワ上空を飛ぶSu-34(2015年5月9日) REUTERS/Host Photo Agency/RIA Novosti
<ウクライナ空軍によると、「SU-34は最初、思い上がっているように見えた。ウクライナ陣地奥深くまで入ってきて、それが裏目に出た」という>
アメリカのシンクタンク、戦争研究所(ISW)は、ウクライナ空軍の報道官らの話を引用する形で、ウクライナの前線における空爆の規模をロシアが縮小していると伝えた。これは、ウクライナ軍が12月21日以降、ロシア軍用機を複数撃墜したことを受けた動きだという。
ISWは、12月24日付のレポートで、こう述べている。「ウクライナ空軍の報道官を務めるユーリー・イーナット大佐は12月24日、ロシア軍はウクライナ南部における滑空爆弾の使用や空爆の規模を縮小していると述べた」
こうした縮小の動きは、ウクライナ軍が12月21日から22日にかけて、ロシアのSu-34(スホーイ34)戦闘爆撃機3機を撃墜したと発表した後、明らかになったものだ。その後24日には、複数のウクライナ軍幹部が、同国軍はさらにロシアの戦闘機2機を破壊した、と発言した。25日のウクライナ軍参謀本部の発表では、ウクライナの防空システムがロシアの軍用機Su-30およびSu-34を破壊したという。
有人飛行機の使用を抑制
ロシアの戦闘機は、最長で標的から72キロも離れた場所から滑空爆弾を発射することができる。そのため戦闘機自体はウクライナの対空ミサイルにさらされる可能性が低い。「その滑空爆弾の使用が減っている。これは相次いで戦闘機を喪失したことで、ロシア軍がウクライナの防空能力に警戒感を持っていることを示唆する」と、ISWは報告している。
さらにISWは、ロシア軍がクリミア半島付近、特に黒海北西部で有人航空機の使用を抑制している、というウクライナ軍ウォッチャー、コスチャンティン・マショヴェツの、12月24日の発言を引用した。
ウクライナ陸軍の報道官を務めるウォロディミル・フィチオ中佐は12月23日、ウクライナ東部のクピヤンシクおよびバフムト付近で、ロシア軍が戦闘機の使用を減らす一方、攻撃用ドローンの使用を増加させていると述べた。
ウクライナ空軍は、21日から22日にかけてウクライナ軍がロシア軍の戦闘爆撃機3機を撃墜するまで、前線に爆弾を投下しようとするロシア軍のパイロットには「思い上がり」があったとして、以下のように指摘した。
「彼らはうぬぼれて、(標的に)近づくため防衛陣地深くに入り込み、誘導爆弾で我々の部隊を攻撃しようとした」と、ウクライナ空軍報道官のイーナットは述べた。「だが、どうしても爆撃したいと思うと、(標的)に近づく必要がある。彼らはリスクを取り、それが裏目に出た」