ポーランドのエネルギー革命、原発への巨大投資をもたらす過去の幻影
Poland’s Nuclear Dreams
夢の後押しをする理由
この期間の見通しについて、彼は極めて楽観的だ。だがヨーロッパで15年ぶりに建設されたフィンランドの原子炉オルキルオト3号機は、建設開始から稼働までに17年を要した。これは当初の計画の3.5倍に当たり、建設費用も当初予定の3倍近くに膨らんだ。
より小型な原子炉SMRについては、同様の技術を使用した原子炉はいまロシアと中国の計2基しかない。SMR建設の認可を取得しているの米ニュースケール社だけで、大口投資家が見つからなければ試験導入プロジェクトを進められない。
米コロンビア大学グローバルエネルギー政策センターのマット・ボーウェン上級研究員は「過去に一つも建設されていないので、SMR技術はまだ実証されていない」と独立系メディア「エナジー・モニター」に語った。「SMRの建設が(ボーグル原発の)AP1000建設と同様の事態を招くなら、あまり多くは建設されない可能性が高い」
ポーランドをはじめとする中・東欧のエネルギー関連組織・企業は極めて保守的で、多くが共産主義時代の考え方を引きずっている。ヨーロッパ各地に多くの研究や成功例があるのに、100%再生可能エネルギーや次世代送電網、蓄電容量、水素や需要を制御する需要応答戦略に基づくエネルギーシステムの運用が可能だと理解できていない。
ポーランドに4社しかない国営電力会社が石炭に多額の投資を行っていることも、状況改善の助けになっていない。頼りにしてきた石炭の存在が脅かされれば、これらの企業の利益は減る。
だからこそ彼らは、原発を夢見る人々の背中を押している。夢に終わることを知っているからだろう。
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