最新記事
ウクライナ戦争

対戦車ミサイルがロシア兵に直撃...衝撃映像に「プロの仕事」「費用対効果が...」と反応さまざま

Video of Russian Soldier Caught in Anti-Tank Missile Strike Goes Viral

2023年8月6日(日)13時00分
ブレンダン・コール
ウクライナ対戦車ミサイルStugna-P

対戦車ミサイルStugna-Pを使うウクライナ兵(2023年1月) Anna Kudriavtseva-Reuters

<ウクライナ軍が目標への攻撃を成功させる様子を映した動画は数多くあるが、今回はミサイルの費用に見合うのかという疑問も出ている>

ウクライナの対戦車ミサイルが1人のロシア兵に命中したと見られる動画が、オンラインで拡散している。ツイッターユーザーのアレックス・ボンドがオンラインで共有した21秒の動画には、野原を走る兵士に向かってミサイルが飛び、爆発する様子が映っている。

■【動画】「オペレーターの高い技術」を証明...対戦車ミサイルがロシア兵に直撃する瞬間

 
 
 
 
 

ツイッターのプロフィールで「ウクライナの志願兵」を自称するボンドは、この攻撃は「オペレーターの高い技術」を証明していると胸を張る。ただ一方で、ミサイルの価格に見合う攻撃なのかという疑問を呈する人もおり、ボンドは次のように答えた。「コスト効率が高くないことには同意するが、彼らはそれだけの価値があると言っていた。詳細を話すことはできないが」

場所や日付の裏付けは取れていないが、動画のタイムスタンプは5月24日になっている。

ウクライナに多くの戦果をもたらした対戦車ミサイル

ステューフナP(Stuhna-P)とも呼ばれるスタグナP(Stugna-P)は、ウクライナ国防省のルーチ設計局が2010年代初頭に開発した対戦車誘導ミサイル(ATGM)システムだ。2022年にロシアがウクライナに侵攻した直後、防衛関連情報サイト「19FortyFive」は、ウクライナ軍にとって、スタグナが戦場で非常に有効であることが証明されつつあると報じていた。

スタグナは重量約90キロで、西側が供給するATGMジャベリンと比べると携帯性に劣るが、射程は長い。オペレーターは、飛行中のミサイルを半自動操縦できる。

ウクライナ軍が目標の攻撃を成功させる様子を映した動画は数多くある。2022年7月のある動画では、ウクライナの第36独立海兵旅団がスタグナを使い、南部ヘルソン州にあるロシアの弾薬庫を破壊している。

4月には、スタグナがハルキウ州イジューム近郊で、ロシア軍の戦車4台を3分以内に破壊したとされる動画が投稿された。戦車1台の価格は最大300万ドルと伝えられている。またウクライナ軍は、占領地ヘルソン州の海岸で、高機動ロケット砲システム(HIMARS)を使用してロシア兵士200人を殺害したという攻撃の動画も公開している。

さらにウクライナ軍は、6月4日ごろに占領地奪還のための反攻が開始されて以降に、黒海のジャリルハック島にある野営地を攻撃したものという、日付のない動画を公開している。

8月2日には、クリミア半島にあるグバルディスコエ飛行場をミサイル攻撃した様子とされる動画が、ソーシャルメディアに投稿された。同飛行場は、ロシアの南部軍管区に属する第37航空軍の本拠地であり、シンフェロポリという都市の北に位置している。
(翻訳:ガリレオ)


ヘルスケア
腸内環境の解析技術「PMAS」で、「健康寿命の延伸」につなげる...日韓タッグで健康づくりに革命を
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

インドCPI、11月は過去最低から+0.71%に加

ビジネス

中国の新規銀行融資、11月は予想下回る3900億元

ビジネス

仏ルノー、モビライズ部門再編 一部事業撤退・縮小

ビジネス

ECB、大手110行に地政学リスクの検証要請へ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 2
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれなかった「ビートルズ」のメンバーは?
  • 3
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 4
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 5
    【揺らぐ中国、攻めの高市】柯隆氏「台湾騒動は高市…
  • 6
    受け入れ難い和平案、迫られる軍備拡張──ウクライナ…
  • 7
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 8
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 9
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 10
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 7
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 8
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 9
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 10
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中