最新記事
韓国

韓国ユン大統領「100年前のことで日本が謝罪、あり得ない」 また支持率下落

2023年4月24日(月)21時11分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領

日韓関係について口にするたびに支持率が下がるユン大統領 Kim Hong-Ji - REUTERS

<米国訪問へ旅立った大統領の発言に「売国奴」との批判も>

24日、バイデン大統領に招かれ国賓として米国訪問に旅立った韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領。訪米に合わせて米ワシントンポストが単独インタビューを掲載したが、そのなかでユン大統領は日韓関係にも触れ、「100年前の歴史のために日本がひざまずいて許しを乞うべきだという考え方を受け入れることはできない」と発言。韓国内で大きな議論を呼んでいる。国民日報など韓国メディアが一斉に速報した。

日本との協力、先送りはできない

ユン大統領に対するワシントンポストのインタビューは、ワシントン・ポスト東京支局長のミシェル・リーがソウルの大統領執務室で行ったもので、24日に掲載された

そのなかでユン大統領は「欧州は過去100年間に数度の戦争を経験したが、それでも戦争を行った国は、未来に向けて協力していく方法を見つけた」「100年前に起きたことのため(日本との協力が)絶対に不可能だとか、彼らがひざまずいて許しを乞うべきだという考え方は受け入れられない」と話した。

さらに「韓国の安保問題は、日本との協力を先送りするにはあまりにも急を要しているが、一部批判論者たちはこれを決して納得しないだろう」と話した。そして、「これは決断が必要な問題」であり、「(国民を)説得するために最善を尽くしたと思う」と、付け加えた。

ワシントンポストは、ユン大統領が90分におよんだ今回のインタビューで、日本に対する決定に関して詳しく言及したと伝えている。

世論調査では支持率が下落、ネットでは「売国奴」

このワシントンポストによるインタビューが掲載される数時間前、ユン大統領の国政遂行力に対する世論調査が発表され、大統領の国政遂行を「支持する」は32.6%、「支持しない」は64.7%となった。

これは今月17日から21日までの5日間、世論調査会社リアルメーターが韓国の満18歳以上の成人2520人を対象に調査したもので、同様の調査方式で行ったユン大統領の支持率は今月第1週36.4%、第2週33.6%と下落が続いており、3月中旬の初来日以降、支持率低下に歯止めがかからない状態だ。

そんなタイミングで発表された今回のワシントンポストによるインタビューは、まさに火に油を注ぐような形となった。

ネットでは「あなたは本当にどこの国の大統領なのか」「こんなのが大統領だなんて...」「アメリカに行ってしまったから、そのままそこで暮らしなさい」「韓国に戻らず、日本に帰国しなさい」といったコメントが吹き荒れている。

ガジェット
仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、モバイルバッテリーがビジネスパーソンに最適な理由
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

仏大統領、ウクライナ問題で結束「不可欠」 米への不

ワールド

ロシアとインド、防衛関係を再構築へ 首脳会談受け共

ビジネス

ソフトバンクG傘下のアーム、韓国で半導体設計学校の

ワールド

中国主席、仏大統領に同行し成都訪問 異例の厚遇も成
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 2
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させられる「イスラエルの良心」と「世界で最も倫理的な軍隊」への憂い
  • 3
    高市首相「台湾有事」発言の重大さを分かってほしい
  • 4
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国…
  • 5
    「ボタン閉めろ...」元モデルの「密着レギンス×前開…
  • 6
    左手にゴルフクラブを握ったまま、茂みに向かって...…
  • 7
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 8
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与…
  • 9
    「ロシアは欧州との戦いに備えている」――プーチン発…
  • 10
    主食は「放射能」...チェルノブイリ原発事故現場の立…
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 4
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 5
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 6
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 7
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 8
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 9
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国…
  • 10
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中