最新記事
中台関係

中国、台湾周辺での軍事演習2日目に攻撃シミュレーション実施

2023年4月10日(月)09時48分
ロイター
ショッピング街のモニターに表示される軍事演習の映像

4月9日、中国軍は、台湾周辺で2日目となる軍事演習を行い、台湾に対する正確な攻撃のシミュレーションを実施した。写真は8日、北京のショッピング街のモニターに表示されるニュース映像(2023年 ロイター/Tingshu Wang)

中国軍は9日、台湾周辺で2日目となる軍事演習を行い、台湾に対する正確な攻撃のシミュレーションを実施した。台湾国防部(国防省)は、中国軍用機による活動を確認したとし、ミサイル部隊の動向を注視していると明らかにした。

中国は台湾の蔡英文総統が米国でマッカーシー下院議長と会談したことに反発し、人民解放軍が8日から3日間の日程で台湾周辺で軍事演習を開始した。

中国国営テレビによると、台湾周辺での戦闘準備のための巡回と演習が続いている。「統合作戦指揮センターの統一的な指揮の下、複数種類の部隊が台湾島と周辺海域の重要目標に対する共同精密攻撃のシミュレーションを実施し、台湾島周辺の攻撃態勢を維持し続けている」と報じた。

中国軍は「微信(ウィーチャット)」でシミレーション攻撃の短い動画を公開した。動画では、陸・海・空から台湾に向けて発射されたミサイルのうち2発が目標に命中して炎上している様子が示されている。

関係者はロイターに対し、中国は台湾の南西部沿岸の海域で「外国の軍事目標」に対する空と海の模擬攻撃を行なっていたとし、「台湾だけがターゲットではない」とした上で、「非常に挑発的だ」と述べた。

台湾国防部は0800GMT(日本時間午後5時)時点で、戦闘機「スホイ30」など中国軍用機70機、艦船11隻が台湾海峡周辺で活動しているのを確認したと発表した。

中国の陸上ミサイルシステムを担当する人民解放軍のロケット軍の動きを特に特に注視していると説明した。

台湾は「紛争をエスカレートさせることも、紛争を引き起こすこともない」とし、中国の訓練に「適切に」対応すると再度表明した。

関係筋によると、台湾海峡の事実上の休戦ライン「中間線」付近で中台それぞれの艦船約10隻ずつがにらみ合ったが、挑発的な行動はなかった。台湾が先週から監視している中国の空母「山東」も演習に参加しているという。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2023トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

SDGs
使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが「竹建築」の可能性に挑む理由
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

マスク氏、FRBへDOGEチーム派遣を検討=報道

ワールド

英住宅ローン融資、3月は4年ぶり大幅増 優遇税制の

ビジネス

日銀、政策金利を現状維持:識者はこうみる

ビジネス

アルコア、第2四半期の受注は好調 関税の影響まだ見
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 7
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 8
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 9
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 10
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中