最新記事

米中関係

中国にリスク覚悟で「偵察気球」を送らせた3つの対米不満

Spy balloon signaled China's displeasure over three issues: Stavridis

2023年2月7日(火)18時11分
アンドリュー・スタントン

こうしたなか、スタブリディスは6日にNBCニュースに出演し、中国がアメリカとの緊張激化のリスクを冒してまで気球を飛ばした理由を説明。「幾つかの問題について、アメリカに不満を抱いているのだという直接的なメッセージだったと思う」と述べた。

スタブリディスが指摘した「中国の不満」とは、以下の3つだ。

1)フィリピンの米軍基地拡大

スタブリディスがまず指摘したのは、今回の気球が、アメリカとフィリピンの間で交わされた新たな協定に対する不満のメッセージである可能性だ。米・フィリピンは先週、東アジア地域において中国への抑止力を高めるために、米軍がフィリピン国内で使用できる基地を増やすことで合意した。

中国はこれについて、「地域の緊張を高め、地域の平和と安定を損なうもの」だと反発。「フィリピンが利用されてトラブルに引きずり込まれることがないよう、慎重な姿勢を保つことを願っている」と声明で述べた。

スタブリディスは、中国が特に腹立たしく思っているのは、アメリカが台湾に近いルソン島の北部にある基地へのアクセス権を手にしたことだろうと指摘した。

2)グアムの新基地

スタブリディスはまた、アメリカが米領グアムに新たな基地を建設していることが、米中の新たな火種となる可能性があると指摘した。米CNNによれば、米海兵隊の基地が新たに開設されるのは70年ぶりで、この「キャンプ・ブラズ」には最大5000人の海兵隊員が配備されることになる可能性がある。

専門家は、この新基地(気球発見のわずか数日前に開所)は中国からの脅威を抑止する狙いで建設されたものだと指摘している。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、イランとの外交的解決なお望む=バンス副

ワールド

OPECプラス、4月に増産見通し イラン緊張による

ワールド

米11州、ネトフリのワーナー買収案巡り調査要請 市

ワールド

米関税率は従来水準へ、一部15%超 中国は現状維持
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
2026年3月 3日号(2/25発売)

フィンテックの進化と普及で、金融はもっと高速に、もっとカジュアルに

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの謎判定に「怒りの鉄拳」、木俣椋真の1980には「ぼやき」も
  • 2
    3頭のクマがスキー客を猛追...ゲレンデで撮影された「恐怖の瞬間」映像が話題に
  • 3
    最高裁はなぜ「今回は」止めた?...トランプ関税を違憲とした「単純な理由」
  • 4
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 5
    2月末に西の空で起こる珍しい天体現象とは? 「チャ…
  • 6
    【クイズ】サメによる襲撃事件が最も多い国はどこ?
  • 7
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 8
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 9
    「バカにされてる」五輪・選手村で提供の「アメリカ…
  • 10
    「IKEAも動いた...」ネグレクトされた子猿パンチと「…
  • 1
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
  • 2
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 3
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 4
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
  • 5
    「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官…
  • 6
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 7
    海外(特に日本)移住したい中国人が増えている理由.…
  • 8
    100万人が死傷、街には戦場帰りの元囚人兵...出口な…
  • 9
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 10
    ロシアに蔓延する「戦争疲れ」がプーチンの立場を揺…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 5
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 6
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 9
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中