最新記事

ロシア

「何をふざけている」プーチンがカメラ前で閣僚を叱責...国民が見守る中、苛立ち露わに

Putin Scolds Minister on Live Video Call: Why Are You 'Fooling Around'?

2023年1月13日(金)19時13分
イザベル・ファン・ブリューゲン
プーチン大統領とマントゥロフ産業貿易相

プーチン大統領とマントゥロフ産業貿易相(2018年10月) Sergei Chirikov/Pool via REUTERS

<国営テレビで放送された会議の中で担当閣僚を責め立て、「1カ月以内に終わらせろ。分かったな」とまくし立てた>

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がビデオ会議の中で、航空機の調達が遅れているとして、担当の副首相を厳しく叱責する一幕があった。

■【動画】「何をふざけている」 オンライン会議で閣僚を厳しく叱責するプーチン

1月11日に国営テレビで放送された政府当局者とのオンライン会議の中で、プーチンはデニス・マントゥロフ産業貿易相を批判。2023年分の民間および軍用の航空機の発注作業を「1カ月以内に」終わらせるよう命じた。

ロイター通信によれば、マントゥロフは国営航空会社アエロフロートとの1750億ルーブル(25億6000万ドル)相当の契約作業を担当している。プーチンは会議の中で、これらの航空機の契約が一つも準備できていないと指摘した。

プーチンからもっと迅速に発注作業を進めるよう指示されたマントゥロフ(航空その他のハイテク産業を担当)は、発注状況について弁解を試みたものの、プーチンは「時間がかかりすぎている! 頼むから迅速に作業を進めてくれ」と一蹴した。

さらにプーチンは、各企業が人材を雇い、生産能力を維持・拡大できるようにするためには、政府の計画や発注内容を知っている必要があると指摘。「企業側は、軍が何機を発注するのか、民間航空機の発注が何機になるのかを知っている必要がある。だが一部の企業は2023年分の契約さえまだ結んでいない」と述べた。

「1カ月以内に終わらせろ」

マントゥロフが、民間機と軍用機の両方について発注書を作成しているところだと説明しようとすると、プーチンはその発言を遮ってこう述べた。「マントゥロフ、君は全て準備できていると言うが、契約がまったくできていない。そこが問題なんだ。この件については会議の後に話そう。ここで細かいことをくどくど言っても意味がない」

プーチンはさらにこう続けた。「企業側との契約が一つもまとまっていないことは知っている。企業側からそう聞いた。何をふざけているのか? いつ契約は結ばれるんだ? 企業側は私に、まだ一切契約がまとまっていないと言ってきているのに、君は私に準備は万端だと言っている」

そしてプーチンはマントゥロフに、できる限り迅速に契約を結ぶよう要求した。「全ての作業を1カ月以内にやるように。この状況が分かっていないのか? 1カ月以内に作業を終わらせろ。分かったな?」

マントゥロフが同僚たちと共に「最善を尽くします」と言うと、プーチンは彼にこう告げた。「最善を尽くすのでは駄目だ。1カ月以内に終わらせろ。1カ月以内、それ以上かけてはならない。いいな?」

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

トランプ氏、原油価格抑制呼びかけ 「敵の術中に陥る

ビジネス

再送-7月利下げ支持、インフレ圧力抑制なら=ボウマ

ワールド

NATO加盟国、防衛費GDP比5%に引き上げへ=事

ビジネス

米中古住宅販売、5月0.8%増 予想外に増加も低調
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本のCEO
特集:世界が尊敬する日本のCEO
2025年7月 1日号(6/24発売)

不屈のIT投資家、観光ニッポンの牽引役、アパレルの覇者......その哲学と発想と行動力で輝く日本の経営者たち

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々と撤退へ
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    飛行機内で「最悪の行為」をしている女性客...「あり得ない!」と投稿された写真にSNSで怒り爆発
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ホルムズ海峡の封鎖は「自殺行為」?...イラン・イス…
  • 6
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 7
    EU、医療機器入札から中国企業を排除へ...「国際調達…
  • 8
    「イラつく」「飛び降りたくなる」遅延する飛行機、…
  • 9
    イランとイスラエルの戦争、米国より中国の「ダメー…
  • 10
    【クイズ】次のうち、中国の資金援助を受けていない…
  • 1
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 2
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の「緊迫映像」
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    イタリアにある欧州最大の活火山が10年ぶりの大噴火.…
  • 8
    ホルムズ海峡の封鎖は「自殺行為」?...イラン・イス…
  • 9
    飛行機内で「最悪の行為」をしている女性客...「あり…
  • 10
    イランとイスラエルの戦争、米国より中国の「ダメー…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 5
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 6
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 9
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中