最新記事

ベラルーシ

ベラルーシが参戦か?街の電光掲示板に恐怖のメッセージ

Belarus sign calls for "all male citizens" to attend enlistment office

2023年1月5日(木)16時25分
ブレンダン・コール

プーチンの「忠犬」ルカシェンコ(2022年9月26日、ロシアのソチ) Sputnik/Gavriil Grigorov/Pool via REUTERS

<プーチンの「忠犬」で独裁者のルカシェンコが遂に国民を動員し始めた、という憶測が飛び交っている>

ベラルーシのバスターミナルの電光掲示板に、兵役対象の男性は入隊事務所に出向くよう促す案内が流れた。その動画がネットに流れ、いよいよ国民を動員し、ウクライナ侵攻に参戦するのではないかという憶測が飛び交っている。ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領に忠実な盟友として知られている。

動画が撮影されたのは、ベラルーシの首都ミンスクから約72キロメートル北東に位置するボリソフ市のバスターミナル。待合室の電光掲示板に、ロシア語で次のような案内が流れた。「18歳から60歳までの全ての男性は、入隊事務所または地元の執行委員会で登録データを確認せよ」

視聴回数が15万7000回を超えたこの動画を投稿したのは、ミンスク在住のジャーナリストで、米有力シンクタンク「アトランティック・カウンシル」の非常勤研究員を務めるハンナ・リウバコワだ。彼女は「これはいったい何だ?」というメッセージと共に、この動画を共有した。

「国民総動員が始まる」?

10万人超のフォロワーを持つツイッターユーザーのMarqSはコメントで、この呼びかけはベラルーシで行われている軍事演習と関連があるのかもしれないと指摘。さらに「ロシアでは5日から国民総動員が始まると予想する声が多いが、もしかしたらベラルーシでもそうなるのだろうか」と書き加えた。

ほかのツイッターユーザーも、問題の動画はベラルーシ国民の動員が始まることを示唆しているのではないかと懸念を表明した。

プーチンはかねてからルカシェンコに参戦圧力をかけており、対応が懸念されていた。

あるユーザーは、「ベラルーシ国民よ、ルカシェンコに抵抗しよう。皆にその強さがあることを願っている」と書き込んだ。

ベラルーシはこれまで、領土をウクライナ侵攻の拠点としてロシア軍に使わせてきたが、戦闘への関与は回避してきた。

だが2022年12月29日には、ウクライナとの国境地帯にウクライナ軍のミサイルが飛来したとベラルーシが非難。ウクライナ軍による挑発の可能性があると示唆し、緊張が高まった。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国、高市首相の台湾発言撤回要求 国連総長に書簡

ワールド

MAGA派グリーン議員、来年1月の辞職表明 トラン

ワールド

アングル:動き出したECB次期執行部人事、多様性欠

ビジネス

米国株式市場=ダウ493ドル高、12月利下げ観測で
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 2
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネディの孫」の出馬にSNS熱狂、「顔以外も完璧」との声
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 4
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 5
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 6
    「裸同然」と批判も...レギンス注意でジム退館処分、…
  • 7
    Spotifyからも削除...「今年の一曲」と大絶賛の楽曲…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 10
    中国の新空母「福建」の力は如何ほどか? 空母3隻体…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 6
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 7
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 10
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中