最新記事

英王室

ヘンリー&メーガンのドキュメンタリー、予告編発表のタイミングに「悪意がある」と批判殺到

2022年12月5日(月)18時15分
千歳香奈子
ヘンリー王子とメーガン妃

ヘンリー王子とメーガン妃(2022年6月3日) Dylan Martinez-REUTERS

<ウィリアム皇太子夫妻の訪米中というタイミングなだけに「兄への宣戦布告」と受け取った人も多い。早くも物議を醸す2人のドキュメンタリーだが、英米では反応に違いも>

2020年に英王室を離脱したヘンリー王子とメーガン妃夫妻の知られざるプライベートが明かされるネットフリックスのドキュメンタリー番組『Harry & Meghan(ハリー&メーガン)』の予告編が1日、公開された。王室批判を繰り返してきた夫妻の「新たな爆弾投下」になると噂されるドキュメンタリーの一端がついに明かされたのは、奇しくも兄ウィリアム皇太子夫妻がエリザベス女王亡き後初となる外遊で米国を訪問中のことだった。

【予告編】すでに不穏... 「新たな爆弾」と噂されるヘンリー夫妻のドキュメンタリー

ウィリアム皇太子は、自らが設立した環境賞の授賞式に出席するため3日間の日程で訪米し、バイデン米大統領との会見も組まれるなど皇太子となって初の国際舞台で華やかな活躍が期待されていた。

本来なら避けるべきタイミングを狙い撃ちしたかのような行為に、「兄からスポットライトを奪うため」だと批判が殺到。最大限の注目を集めようとしているかのように見えるヘンリー王子夫妻に対し、リアリティ番組で私生活を晒して名声を手にしたお騒がせセレブ一家「カーダシアン家」と重ね合わせる声さえ出ている。

ここ数年確執が取り沙汰されてきた兄弟だけに、このタイミングでのお披露目は「弟から兄への宣戦布告」と受け取った人も多く、エリザベス女王がこの局面にこの世にいなくて良かったと安堵する声もある。

英国の人気司会者ピアーズ・モーガンは、(このタイミングで)故意に予告編を公開して兄の大切な外遊を台無しにしたとツイートし、「忌まわしい偽善者」とぶった斬った。また、マーガレット・サッチャー元英首相の側近も、「もしアカデミー賞に"傲慢・虚栄心・ナルシシズム"に対して与えられる賞があるとしたら、メーガンとヘンリーは最有力候補になるでしょう」と嫌味を述べている。

予告編からすでに不穏

王室関係者の間でも「故意に魚雷で(ウィリアム皇太子を)攻撃した」と信じる者がいると英メディアが伝えているが、物議を醸した予告編とは一体どのようなものだったのか。

交際から結婚、王室離脱に至る決断まで知られざる夫妻の素顔が明かされる全6話からなる番組を1分ほどにまとめた予告編は、夫妻の幸せそうな白黒のプライベート写真の構成から始まり、ソファーで泣くメーガン妃や涙を拭う場面などが続く。最後は「これほど高い賭けなら、私たちの物語は私たちから聞く方が、より理にかなっていると思わない?」と語る妃の映像で締めくくられている。

これだけでもセンセーショナルな内容であることは想像に容易いが、ウィリアム皇太子とキャサリン皇太子妃の姿が映し出された直後に「閉ざされた扉の向こうで何が起きているのか誰にも見えない」と語るヘンリー王子のナレーションが流れることが、最大のポイントだ。

冷たい表情でカメラを睨みつけるようなキャサリン妃の姿が確認でき、「家族を守るために、できることはすべてやらなければならなかった」と話すヘンリー王子のインタビュー映像へと続く流れは、ウィリアム皇太子夫妻との間の不穏な空気を予告しているように見える。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

再送-米ワーナー、パラマウントの買収案を拒否 ネト

ビジネス

独IFO業況指数、12月は予想外に低下 来年前半も

ビジネス

EU、炭素国境調整措置を強化へ 草案を正式発表

ワールド

インドネシア中銀、3会合連続金利据え置き ルピア支
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を変えた校長は「教員免許なし」県庁職員
  • 4
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 5
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 6
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 7
    「住民が消えた...」LA国際空港に隠された「幽霊都市…
  • 8
    【人手不足の真相】データが示す「女性・高齢者の労…
  • 9
    FRBパウエル議長が格差拡大に警鐘..米国で鮮明になる…
  • 10
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 10
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中