最新記事

Z世代

新卒で墓地勤務「Z世代の墓守」は給料も職場環境もノーストレス

2022年11月27日(日)15時00分
佐藤太郎

Photo via Twitter

<中国では一般的に、墓地は不吉な場所と考えられているが、ネットユーザーからは批判よりも共感が多かった。「平和」な就職先は墓地かもしれない>

中国社会では近年、長時間労働や非現実的な期待に対する抗議として、若者が必要最低限のことだけをやって乗り切ろうというメンタリティーを受け入れ、「平臥位」(Tangping)という社会運動が起こっている。

ストレスを抱えながら窮屈な環境で働くよりも、より良いワークライフバランスを実現したい......そう考える日本人も少なくない。新卒では大手入社を目指し、企業に入りサラリーマン生活を経て、田舎に移住したり早期退職を考えるのが主流だろう。

そんな中で中国の新卒者はファーストキャリアで墓地での仕事を選んだ。中国のZ世代の嗜好を、「サボる」文化の象徴だとする批判的な意見も見られるが、果たしてそうだろうか。

労働環境は最高かもしれない...

中国版TikTok(ティックトック)の抖音(Douyin)に公開されたタンと名乗る22歳の女性が話題だ。彼女は自身の仕事の様子し、そのあまりに「平和」な職場についてSNS上で注目を集めた。

理由はタンさんの職場にある。中国西部重慶市の山間に位置する墓地で働いているのだ。

「『Z世代の墓守』の労働環境をお見せしましょう。単純で楽な仕事です。猫も犬もいるし、インターネットもある」と、タンさん。住まいは敷地内の寮で同僚と共同生活を送っている。

タンさんはこの仕事を、「早期退職のようなもの」と表現する。今の彼女の生活には、十分な余暇があり、美しい景色に囲まれ、煩わしい社内政治のない環境が整っている。もちろん長時間労働もないそうだ。

221125-cn-002.jpg

抖音

月給は約4,000元(約7万8,000円)。週6日勤務。毎朝8時30分から17時まで働く。休憩は毎日2時間取れるという。

政府のデータによると、昨年の重慶市の平均年収は33,800元(約65万7,000円)で、月給は2,800元(約5万4,000円)だった。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米東部の高齢者施設で爆発、2人死亡 ガス漏れか

ビジネス

午前の日経平均は続伸も値幅限定、クリスマス休暇で手

ビジネス

歳出最大122.3兆円で最終調整、新規国債は29.

ワールド

マクロスコープ:核融合電力、国内で「売買契約」始ま
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者・野村泰紀に聞いた「ファンダメンタルなもの」への情熱
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    ジョンベネ・ラムジー殺害事件に新展開 父「これまでで最も希望が持てる」
  • 4
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 5
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 6
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 7
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 8
    「何度でも見ちゃう...」ビリー・アイリッシュ、自身…
  • 9
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 10
    なぜ人は「過去の失敗」ばかり覚えているのか?――老…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 9
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 10
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中