最新記事

米政治

トランプが次期大統領になったら「本当に常軌を逸したことが始まる」 人事、軍掌握、対ロシア

IF HE WINS AGAIN

2022年11月16日(水)09時40分
デービッド・H・フリードマン(ジャーナリスト)

トランプは以前と変わらず派手な政治集会を重ね、おどろおどろしい話を繰り返している DAVID HUME KENNERLY/GETTY IMAGES

<中間選挙でダメージを負っても、2024年大統領選でのトランプ復活の可能性は排除できない。総力取材で「2期目」を展望する(前編)>

ドナルド・トランプは大統領への返り咲きを諦めるのではないか――そんな見方は、最近の動向を見る限り打ち砕かれたと言えそうだ。

2020年11月の大統領選で敗れて2年。前大統領は、今も以前と変わらず派手な政治集会を重ねている。

11月8日の中間選挙前には、共和党の候補者を応援するためというのを建前に、実質的には自分が主役のように振る舞い、大統領時代の成果を誇ったり、さまざまな不満をぶちまけたりしていた。

メディアで取り上げられる機会にも事欠かない。この10月には、昨年1月の連邦議会襲撃事件を調査している下院特別委員会がトランプに証言と書類提出を求める召喚状を発した。8月には、機密書類の持ち出し疑惑に関連して、FBIがフロリダ州にあるトランプの別荘マールアラーゴを家宅捜索している。

ほかにも、毎日のようにトランプの法的トラブルが報じられている。

中間選挙で共和党は予想外の苦戦を強いられたが、それでもトランプは11月15日に、2024年の大統領選への再出馬を表明するとみられる。法的トラブルなどどこ吹く風、共和党支持者のトランプ人気は根強く、刑事告発されたとしても、支持はほとんど揺らがないだろう。

FBIによる家宅捜索後の支持者の反応を見ると、むしろ支持がいっそう強まる可能性すらある。中間選挙前のある世論調査は、大統領選が共和党のトランプと民主党のジョー・バイデン大統領の対決になった場合、トランプが勝つ見通しを示していた。

2期目のトランプ政権が発足した場合、大統領に復帰したトランプはどのような行動を取るのか。民主党支持者と無党派層を中心に、有権者の61%がトランプの再出馬を望んでいないことを考えると、多くの人が戦々恐々としながら彼の動向を注視している。

トランプは最近の演説でも、2017年の大統領就任演説さながらに、おどろおどろしい話を繰り返していた。進歩派の民主党員と背後で糸を引く勢力により、アメリカが破滅させられようとしている、というのだ。

「外部の脅威も極めて大きいが、最大の脅威は今もやはり国内の邪悪な連中だ」などと述べている。

トランプが2期目にどのような政策を推進するかは、まだ推測の域を出ない(そもそもトランプが政策に関心を持っているかも疑わしい)。それでも、本誌が過去と現在の側近たちに話を聞いたところ、おおよその方向性が見えてきた。

まず、1期目ではトランプのブレーキ役になり得る人物も一部の要職に起用したが、今度は自分に忠実な人物で人事を固めそうだ。

また、権力掌握を目的に、軍に対するコントロールを強化するだろう。そして、行政サービスを大幅に縮小し、自身の支持層が抱く価値観に沿った政策を打ち出す可能性が高い。

今、あなたにオススメ

ニュース速報

ワールド

再送中国アラブ関係「新局面」、元建て取引推進で米揺

ワールド

ウクライナ、ロシア軍の攻撃で冬季の電力不足継続

ワールド

再送-サウジのムハンマド皇太子、米ロ囚人交換を仲介

ビジネス

ステランティス、イリノイ州工場を無期限停止 EVコ

今、あなたにオススメ

MAGAZINE

特集:ラーゲリより愛を込めて

2022年12月13日号(12/ 6発売)

二宮和也主演『ラーゲリより愛を込めて』── 映画で知るシベリア抑留の歴史

メールマガジンのご登録はこちらから。

人気ランキング

  • 1

    10代の少女たちに歌わせるには「性的すぎる」 韓国ガールズグループの新曲が物議

  • 2

    ロシア動員兵の間で事故死や変死相次ぐ

  • 3

    初めて見た! プーチンの酔っぱらった姿...いつもと違う様子に「弱ささらした」の声

  • 4

    本当にただの父娘関係? 24歳モデルと父親の写真、距…

  • 5

    ロシア軍がミサイル発射「大失敗」、ロシア国内の住…

  • 6

    「言葉を失う」...ロシア軍の「置き土産」が雄弁に物…

  • 7

    ロシア国内で「軍用機の墜落」が続発...ロシア空軍、…

  • 8

    『ラーゲリより愛を込めて』 二宮和也演じる主人公が…

  • 9

    K-POPの頂点からの転落 元EXOクリス、性犯罪で去勢の…

  • 10

    「アメリカの傭兵」──ワグネルが名指しで命を付け狙…

  • 1

    「犬は飼い主に忠誠心をもつ」は間違い 研究で判明した「犬が本当に考えていること」

  • 2

    ロシア軍がミサイル発射「大失敗」、ロシア国内の住宅地に着弾する瞬間の映像

  • 3

    【英王室】3人のプリンセスたちの訪米ファッションに注目!

  • 4

    ロシア国内で「軍用機の墜落」が続発...ロシア空軍、…

  • 5

    本当にただの父娘関係? 24歳モデルと父親の写真、距…

  • 6

    スーパーモデル、ベラ・ハディッドがヌードで登場、…

  • 7

    「言葉を失う」...ロシア軍の「置き土産」が雄弁に物…

  • 8

    フィギュアファン歴30年の作家も驚く「羽生結弦が見…

  • 9

    ロシア戦闘機が非武装イギリス機に「ミサイル発射」…

  • 10

    プーチンの「忠犬」ルカシェンコ、暗殺に怯える日々

  • 1

    ロシアはウクライナでなく日本攻撃を準備していた...FSB内通者のメールを本誌が入手

  • 2

    血糖値が正常な人は12%だけ。「砂糖よりハチミツが健康」と思っている人が知るべき糖との付き合い方

  • 3

    「犬は飼い主に忠誠心をもつ」は間違い 研究で判明した「犬が本当に考えていること」

  • 4

    本当にただの父娘関係? 24歳モデルと父親の写真、距…

  • 5

    W杯、ホテルは想定外のガラガラ状態 サッカーファン…

  • 6

    ロシア軍がミサイル発射「大失敗」、ロシア国内の住…

  • 7

    プーチン「重病説」を再燃させる「最新動画」...脚は…

  • 8

    食後70分以内に散歩、筋トレ、階段の上り下り。血糖…

  • 9

    見えてきたウクライナの「勝利」...ロシア撤退で起き…

  • 10

    カメラが捉えたプーチン「屈辱の50秒」...トルコ大統…

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

英会話特集
日本再発見 シーズン2
World Voice
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
羽生結弦アマチュア時代全記録
CCCメディアハウス求人情報
お知らせ

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中

STORIES ARCHIVE

  • 2022年12月
  • 2022年11月
  • 2022年10月
  • 2022年9月
  • 2022年8月
  • 2022年7月