最新記事

ウクライナ情勢

プーチン、ウクライナのザポロジエ原発を「ロシア連邦財産」にする法令に署名

2022年10月6日(木)10時54分

ロシア外務省は5日、ウクライナのザポロジエ州が正式にロシアに編入されたことに伴い、ザポロジエ原子力発電所はロシア当局の監督下で運営されると表明した。先月1日撮影。(2022年 ロイター/Alexander Ermochenko//File Photo)

ロシアのプーチン大統領は5日、ウクライナのザポロジエ原子力発電所を監督下に置き、「連邦財産」にすることをロシア政府に命じる法令に署名した。

これに先立ち、 ロシア外務省は5日、ウクライナのザポロジエ州が正式にロシアに編入されたことに伴い、ザポロジエ原発はロシア当局の監督下で運営されると表明した。国営RIA通信が伝えた。

ロシア核関連企業ロスエネルゴアトムは、ザポロジエ原発のインフラの損傷を修復する方法に関する検証を実施し、運営を現在のウクライナ人職員から新たなロシア国営機関に移管すると発表。「新たな運営組織は原発の安全な運用と既存の原発職員の専門的な活動を確保するよう設計されている」とした。

一方、ウクライナ国営原子力企業エネルゴアトムのペトロ・コーチン社長は、自身がザポロジエ原発の管理を行うとし、職員に対しロシア占領軍とのいかなる文書にも署名しないよう要請。対話アプリ「テレグラム」に投稿した動画で「発電所に関する今後のあらゆる決定はエネルゴアトム本社で直接的に行われる。われわれはウクライナの法律の下、ウクライナのエネルギーシステム内、エネルゴアトム内で引き続き業務に当たる」と述べた。

ウクライナ大統領府のポドリャク顧問はツイッターで、プーチン大統領の「襲撃」に即時対応すべきと強調。ロシア国営原子力企業ロスアトムに対する制裁を呼び掛けたほか、ロスアトムとの原発建設を全て中止し、ロシアとの原子力に関するパートナーシップを拒否するよう求めた。

国際原子力機関(IAEA)によると、現在ウクライナに滞在しているグロッシ事務局長は「原子力安全性およびザポロジエ原発周辺の安全保護区域に関する可能な限り早期の合意と実施」についてさらに協議していると述べた。

また「外部電源の状況は極めて不安定な状態が続いている。現在、原発への外部からの電力供給は1回線のみで、脆弱としか言いようがない」とした。

タス通信によると、IAEAのグロッシ事務局長が数日中にモスクワを訪問し、原発の状況について協議すると報じた。ザポロジエ原発を訪問する可能性もあるという。

一方、IAEAは声明で「ウクライナの職員幹部がザポロジエ原発にいるIAEAの専門家に対し、出力を下げて5号機を起動する準備が進められていると伝えた」と発表。準備には時間が「しばらく」かかるとした。

プーチン大統領は5日、ザポロジエ州を含む4州の併合法案に署名。併合手続きを完了した。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2022トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

「平和評議会」設立式典、ガザ超えた関与をトランプ氏

ワールド

中国、トランプ氏の風力発電批判に反論 グリーン化推

ビジネス

英ビーズリー、チューリッヒ保険の買収提案拒否 「著

ワールド

NATO、北極圏の防衛強化へ トランプ氏との合意受
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:「外国人問題」徹底研究
特集:「外国人問題」徹底研究
2026年1月27日号(1/20発売)

日本の「外国人問題」は事実か錯誤か? 7つの争点を国際比較で大激論

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている「とてつもなく巨大な」生物...その正体は?
  • 2
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 3
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」の写真がSNSで話題に、見分け方「ABCDEルール」とは?
  • 4
    韓国が「モンスター」ミサイルを実戦配備 北朝鮮の…
  • 5
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 6
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の…
  • 7
    飛行機よりラク? ソウル〜釜山「110分」へ――韓国が…
  • 8
    【総選挙予測:自民は圧勝せず】立憲・公明連合は投…
  • 9
    「怖すぎる...」モルディブで凶暴な魚の群れに「襲撃…
  • 10
    ノーベル賞に選ばれなかったからグリーンランドを奪…
  • 1
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世界一危険」な理由
  • 2
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の船が明かす、古代の人々の「超技術」
  • 3
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試掘の重要性 日本発の希少資源採取技術は他にも
  • 4
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
  • 5
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 6
    正気を失った?──トランプ、エプスタイン疑惑につい…
  • 7
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 8
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 9
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 10
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中