最新記事

ウクライナ情勢

ロシア、ウクライナ東南部4州「圧倒的多数が賛成」で数日中に編入強行へ

2022年9月29日(木)10時56分
ドネツク州で「投票結果」について会見する親ロ派幹部ら

ウクライナ東・南部4州で親ロシア派勢力が強行したロシアへの編入を問う「住民投票」について、各地域の親ロ派組織は圧倒的多数が編入に賛成したとの集計結果を発表した。写真はドネツク州で「投票結果」について会見する親ロ派幹部ら。27日撮影(2022年 ロイター/Alexander Ermochenko)

ウクライナ東・南部4州で親ロシア派勢力が強行したロシアへの編入を問う「住民投票」について、各地域の親ロ派組織は圧倒的多数が編入に賛成したとの集計結果を発表した。プーチン大統領は、数日以内にロシアへの各地域編入を宣言する見通しだ。

住民投票は23日から東部ドネツク州とルガンスク州、南部へルソン州とザポロジエ州の一部地域で実施。これらの地域はウクライナ全土の約15%を占めるとされる。

ロシアがウクライナ占拠地域に設置した当局は27日、大多数がロシアによる併合に賛成したと発表。28日にはプーチン氏に正式にロシアへの併合を要請した。

ロシアのメドベージェフ前大統領はテレグラムで「結果は明白だ。お帰りなさい、ロシアに」と投稿した。首都モスクワの赤の広場には、巨大なビデオスクリーンを備えた演壇のような仮設の建物が設置され、「ドネツク、ルガンスク、ザポロジエ、へルソン─ロシア」と書かれた看板が掲げられた。

ウクライナのゼレンスキー大統領は28日、英国やカナダ、ドイツ、トルコなど各国首脳と個別で電話会談を行い、ロシア編入に反対するよう強く求めた。

ドイツのショルツ首相はゼレンスキー氏に「ドイツは決して住民投票の結果を認めない」と伝えた。

米国は数日以内にロシアに追加制裁を科す方針。欧州連合(EU)は追加の制裁案を発表した。

一方、ロシアは住民投票が強制ではなく、国際法に基づき行われたと主張。投票率は非常に高かったとしている。また、今後、併合された地域への攻撃は、ロシアへの攻撃とみなされると指摘した。

ペスコフ大統領報道官は、ドネツク州の全土を掌握するまで戦い続ける必要があると述べた。同州は約40%がウクライナ支配下にあり、激しい戦闘が続いている。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2022トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

豪ボンダイビーチ銃撃、容疑者親子の軍事訓練示す証拠

ビジネス

英BP、豪ウッドサイドCEOを次期トップに任命 現

ワールド

アルゼンチンの長期外貨建て格付け「CCC+」に引き

ビジネス

日経平均は反落で寄り付く、米ハイテク株安受け半導体
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 5
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 6
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    【銘柄】「日の丸造船」復権へ...国策で関連銘柄が軒…
  • 9
    9歳の娘が「一晩で別人に」...母娘が送った「地獄の…
  • 10
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 6
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 9
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 10
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中