最新記事

オーストラリア

自分の税金が、何にいくら使われたか一目でわかる豪タックス・レシートが素晴らしい

Internet Applauds Photo of Australian Tax Receipt: 'F**king Brilliant'

2022年8月19日(金)17時43分
サラ・サントラ
オーストラリア税務局

LPETTET-iStock

<納税者それぞれに「自分の税金の使い道」を示すレシートが届けられるオーストラリアの制度に「自分の国にも欲しい」という声が続々>

オーストラリア政府が納税者に対して発行している「タックス・レシート」に、インターネット上で称賛の声が上がっている。このタックス・レシートは、その人が支払った税金が具体的に「何に使われたのか」を示すものだ。

きっかけは、ソーシャルニュースサイト「レディット」への投稿だ。u/chadthor123というユーザーが8月18日に、以前にu/heapsgoodsが自分の元に届いたタックス・レシートの写真を撮影して投稿したものを再投稿したものと思われる。この投稿に、4万6000を超える「賛成票」と1700を超えるコメントが寄せられており、多くのユーザーがこのタックス・レシートを「超すばらしい」と称賛している。

■【画像】税金を払うことに少し前向きになれそう? タックス・レシートの写真

タックス・レシートの役割とは?

オーストラリア税務局(ATO)によれば、多くのオーストラリア人は毎年、税務申告を済ませた後に「査定書(ATOが納税申告書を査定したことを通知する書類)」と共にタックス・レシートを受け取る(査定書と別に受け取る人や、電子ファイルの形で受け取る人も一部いる)。

「タックス・レシートには、皆さんの税金が政府の主な支出項目にどのように割り振られたかが示されている」とATOは説明し、さらにこう続けた。「タックス・レシートには、オーストラリア政府の現在および過去の債務総額がどれぐらいかに関する情報も含まれている。納税者のお金を政府がどう使っているのか、透明性を高めることがその目的だ」

u/heapsgoodsが過去に投稿したタックス・レシートには、2018年に納めた税金のうち850ドル近くが福祉支援に使われたことが示されている。ATOによれば、福祉支援事業では高齢者への年金および各種サービスの提供、障害者や子育て世帯、失業者への各種支援が提供されている。また「ほかの分類に含まれていない、先住民への支援提供もここに含まれる」ということだ。

オーストラリア政府は2018年、ほかにもu/heapsgoodsの納めた税金のうち420ドルを医療費に使い、203ドルを防衛費に、183ドルを教育費に使っている。レシートに示されているそのほかの分類には、住居や公衆安全、移民などの項目があった。u/heapsgoodsが2018年に収めた税金の総額は、2200ドル近くにのぼっている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

日仏、円滑化協定締結に向けた協議開始で合意 パリで

ワールド

NATO、加盟国へのロシアのハイブリッド攻撃を「深

ビジネス

米製造業新規受注、3月は前月比1.6%増 予想と一

ワールド

暴力的な抗議は容認されず、バイデン氏 米大学の反戦
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 2

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 3

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 4

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 5

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 6

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 7

    「複雑で自由で多様」...日本アニメがこれからも世界…

  • 8

    中国のコモディティ爆買い続く、 最終兵器「人民元切…

  • 9

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 10

    「TSMC創業者」モリス・チャンが、IBM工場の買収を視…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 5

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 8

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 9

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 10

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中