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給食の献立に苦心する栄養士たち 物価高は困窮家庭の子どもに影

2022年7月7日(木)12時05分

足立区役所で子どもの貧困対策・若年者支援を担当する祖傳和美課長は、物価高などの「影響を受ける方々は、もともと所得が低かったり職が安定していない家庭に多いと思っている。それが子供の栄養状態に影響を及ぼしてしまう可能性がある」と懸念する。

給食費の増加分は補正予算で負担する自治体

足立区は中学校の給食を1食334円から337.5円に増額する。保護者負担はこれまでと同じ303円のまま、残りは補正予算など公費で賄う。コロナ禍からの経済回復で食材費が徐々に上がる中、政府は4月の緊急経済対策に学校給食の負担軽減策を盛り込んだ。コロナ対策の地方創成臨時交付金を拡充し、自治体に活用するよう呼び掛けた。一部の自治体は保護者の負担を引き上げたが、同区は交付金を国に申請し給食費の値上がり分に充てる方向だ。

ロシアによるウクライナ侵攻、円安が物価上昇に追い打ちをかける。「原油高騰で輸送費が上がり、それに付随して様々なものがまた少しずつ値上がりしないか不安だ」と、栄養士の佐藤さんは語る。台風や猛暑など、野菜の高騰につながりかねない異常気象にも気をもんでいる。

(金子かおり 編集:久保信博)

[ロイター]


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