最新記事

ウクライナ侵攻

ロシア軍「批判」で話題となった専門家、2日後に主張を一変...いったい何が?

Russian Pundit Who Condemned Ukraine War Changes His Mind Two Days Later

2022年5月20日(金)18時42分
ブレンダン・コール
ミハイル・キョーダリョノク

@francis_scarr/Twitter

<ロシア国営メディアに出演してウクライナ侵攻の厳しい現状を率直に語った軍事専門家が、わずか2日で主張を180度転換してしまった>

ウラジーミル・プーチンのウクライナ侵攻を国営メディアの番組内で痛烈に批判し、話題になった軍事評論家のミハイル・キョーダリョノクが、ロシアのプロパガンダを放送する国営テレビ「ロシア1」チャンネルに再び登場した。

元防空司令官から軍事評論家に転身したキョーダリョノクは、5月16日にロシア軍の状況は「率直に言って悪化するだろう」と警告して世界的に話題となった人物だ。だが、わずか2日後の18日には、ロシアの軍事力について以前の主張とは180度異なる見方を示したのだった。

16日の番組の動画は600万回以上再生され、番組司会者オルガ・スカベエワの凍り付いた顔に注目が集まった。スカベエワはこれまで、軍事作戦の成功を大々的に吹聴し、ウクライナを支持する西側諸国を非難してきたことで、ロシア政府の「最高プロパガンダ責任者」と呼ばれている人物だ。

キョーダリョノクによる16日の発言は、「ロシア1」チャンネルの番組「60ミニッツ」を観ている何百万もの視聴者に対して、プーチンの「軍事作戦」の迷走をありのままに伝えるものとして驚きを与えたと見られていた。だがキョーダリョノクは18日、再び同番組に出演し、今度は一転して前向きな見解を示した。

@francis_scarr/Twitter


ウクライナ側の「成功」の主張には「根拠がない」

キョーダリョノクは、アメリカがウクライナに供与するM777榴弾砲の攻撃に成功した証拠とされているロシア国防省の動画に言及。これらの米国製兵器は、ロシアが「最も優先している標的」だと述べた。

「近い将来、これらの榴弾砲は残骸と化し、すべて記念品になると考えられるだけの十分な理由がある」とキョーダリョノクは語り、榴弾砲への攻撃は「達成されるだろう」と予言した。

さらにキョーダリョノクは、16日の番組ではウクライナ軍が「最後の一人になるまで戦う」意思があると警告したが、18日にはこの点についても態度を変えた。そして、ウクライナ軍による、「大きな成功を収めている」という主張や、「反撃を開始する」準備はできているという主張には「根拠がない」と述べた。

また、ウクライナとロシアの間で激しい争いが繰り広げられている黒海の小さな島、蛇島(ズミイヌイ島)についても、ウクライナ軍は奪取を試みたが「失敗」したと述べている。

キョーダリョノクは、ウクライナ海軍が蛇島を奪取する作戦を成功させるには、「少なくとも数カ月以内に制空権を獲得する必要がある」としたうえで、それは「不可能」だと断言。さらに「(ウクライナ海軍が)上陸作戦を実行するには、制海権を獲得する必要がある。しかし、黒海に私たちの黒海艦隊がいる限り、ウクライナの黒海艦隊が覇権を握ることは不可能だ」とした。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

不明兵捜索、時間との戦い イランの猛攻耐えた米軍救

ワールド

トランプ氏、イランに合意期限「6日」 米戦闘機乗員

ワールド

米、イランで不明の戦闘機乗員救出 トランプ氏「史上

ワールド

イラク南部の巨大油田に攻撃、3人負傷 イラン国境に
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
2026年4月 7日号(3/31発売)

国際基準の情報開示や多様な認証制度──本当の「持続可能性」が問われる時代へ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐせ・ワースト1
  • 2
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙の2大テーマでAI懸念を払拭できるか
  • 3
    「高市しぐさ」の問題は「媚び」だけか?...異形の「攻撃的知能」を解剖する
  • 4
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始め…
  • 5
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 6
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 7
    地面にくねくねと伸びる「奇妙な筋」の正体は? 飛行…
  • 8
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 9
    血圧やコレステロール値より重要?死亡リスクを予測…
  • 10
    トランプ、イランに合意期限「米東部時間6日午前10時…
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始めた限界
  • 3
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引、インサイダー疑惑が市場に波紋
  • 4
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐ…
  • 5
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 6
    中国がイラン戦争最大の被害者? 習近平の誤った経…
  • 7
    年金は何歳からもらうのが得? 男女で違う「最適な受…
  • 8
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙…
  • 9
    初の女性カンタベリー大主教が就任...ウィリアム皇太…
  • 10
    「高市しぐさ」の問題は「媚び」だけか?...異形の「…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中