最新記事

ウクライナ

ウクライナに「タンクマン」現る 生身でロシア軍の車列に立ち向かう

2022年2月27日(日)15時35分
川和田周

男性の身元は明らかでない Photo via Twitter

<天安門事件で戦車の前に立ちふさがった「タンクマン」を彷彿とさせる...>

1989年6月4日に中国・北京で民主化を求めるデモが弾圧された天安門事件で、戦車の前に立ちふさがった「タンクマン」(日本では「戦車男」、「無名の反逆者」として知られる)。それが誰だったのか、未だに特定されていないが、1998年4月の「TIME」誌はこの人物を「20世紀最も影響力のあった人物100人」に選び、世界一有名な後ろ姿の男性となった。

magw190603_Tiananmen-thumb-720xauto-160876.jpeg

軍の戦車に対峙する「タンクマン」(1989年6月5日) ARTHUR TSANGーREUTERS 

それから約33年。場所は変わりウクライナでデジャヴのようなシーンが捉えられた。時代も変われば、情報の速度も違う。そんな中インターネットで流れたある映像。1人のウクライナ人男性が果敢にも隊列を組んだロシア軍の車両の行く手を阻んでいる。何台かの車両は男性の制止に構わず猛スピードで走り去ったが、続く車両は男性の気迫におののき、運転をやめたようにも見える。

ネット上で拡散されたこの動画は、天安門事件で戦車の前に立ちふさがった「タンクマン」を彷彿とさせるものだった。ウクライナのニュースサイトHBは、「ロシア軍が進めないように、ウクライナ人が敵の装備の下に突入した」とツイートしている。

2月25日(現地時間)にインターネットで拡散され、多くの人がこの勇敢なウクライナ人を数十年前の「タンクマン」と結びつけた。28秒のこの映像は、女性が息を飲み、「Z」の文字が書かれた車列が田舎道を進むところから始まる。正体不明の男性が車両の前に出るとその車両は道をそれた。

動画は多くの人によってコメント付きでリツイートされ、今も拡散中だ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米11月CPI、前年比2.7%上昇 セールで伸び鈍

ビジネス

ECB理事会後のラガルド総裁発言要旨

ビジネス

ECBが金利据え置き、4会合連続 インフレ見通し一

ビジネス

米新規失業保険申請件数、1.3万件減の22万400
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末路が発覚...プーチンは保護したのにこの仕打ち
  • 2
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 6
    9歳の娘が「一晩で別人に」...母娘が送った「地獄の…
  • 7
    円安と円高、日本経済に有利なのはどっち?
  • 8
    おこめ券、なぜここまで評判悪い? 「利益誘導」「ム…
  • 9
    ゆっくりと傾いて、崩壊は一瞬...高さ35mの「自由の…
  • 10
    欧米諸国とは全く様相が異なる、日本・韓国の男女別…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 6
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 9
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 10
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中