最新記事

ウクライナ

プーチン「欧米が攻撃姿勢なら軍事的対応」 ウクライナめぐり対立深刻化

2021年12月22日(水)09時41分
ロシアのプーチン大統領

ロシアのプーチン大統領は21日、西側諸国は冷戦の結果を誤って評価しているとし、欧州における緊張の高まりの責任は西側諸国にあるとの考えを示した。12月21日、モスクワで撮影(2021年 ロイター/ Sputnik/Mikhail Tereshchenko/Pool via REUTERS)

ロシアのプーチン大統領は21日、ウクライナを巡る米国などとの対立について、ロシア側に引き下がる余地はなく、欧米が攻撃的な姿勢を改めなければ厳しい対抗策を迫られると述べた。

軍関係者に対し、ロシアの面前にあるウクライナで米国が行動しているとし、「ここから引き下がる場所はないと理解すべきだ。われわれが黙って見ているとでも思っているのか」と語った。

その上で、「西側諸国が攻撃的な路線を継続すれば、われわれは適切な軍事的・技術的対応策を取り、非友好的な行動には厳しく対応するだろう」と強調した。

ロシアは国境付近に配置している数万人規模の部隊を来月にもウクライナに侵攻させるのではないかと懸念されている。欧米とウクライナとの関係強化によりウクライナ領内に北大西洋条約機構(NATO)のミサイルが配備される可能性があるとして、ロシアはNATOが東方に拡大しない保証が必要だと主張している。

またプーチン氏は、西側諸国が冷戦の結果を誤って評価しているとし、欧州における緊張の高まりの責任は西側にあるとの考えを示した。

米国は冷戦での勝利を認識した後、陶酔感で判断が鈍り、政策の選択を誤ったと指摘。「NATOはなぜ拡大し、ミサイル防衛条約を破棄したのか。欧州で緊張が高まっていることの責任は西側にある」とし、ロシアは西側諸国のいかなる侵攻にも「適切に」対応すると述べた。

ただ、欧米との建設的な対話を望むとも発言。「ロシアは武力衝突を絶対に選ばない。そのような展開は望んでいない」と語った。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・タリバン大攻勢を生んだ3つの理由──9.11以来の大転換を迎えるアフガニスタン
・タリバンが米中の力関係を逆転させる
・<カブール陥落>米大使館の屋上からヘリで脱出する「サイゴン陥落」再び


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

日経平均は続伸、終値ベースの最高値更新 朝安後切り

ビジネス

午後3時のドルは147円後半、売買交錯が続く

ワールド

スイスの経常黒字が半減、トランプ関税巡り金輸出に異

ワールド

超大型の台風18号、台湾東部で14人死亡・152人
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ハーバードが学ぶ日本企業
特集:ハーバードが学ぶ日本企業
2025年9月30日号(9/24発売)

トヨタ、楽天、総合商社、虎屋......名門経営大学院が日本企業を重視する理由

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の小説が世界で爆売れし、英米の文学賞を席巻...「文学界の異変」が起きた本当の理由
  • 2
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 3
    コーチとグッチで明暗 Z世代が変える高級ブランド市場、売上を伸ばす老舗ブランドの戦略は?
  • 4
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 5
    「汚い」「失礼すぎる」飛行機で昼寝から目覚めた女…
  • 6
    筋肉はマシンでは育たない...器械に頼らぬ者だけがた…
  • 7
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の…
  • 8
    カーク暗殺をめぐる陰謀論...MAGA派の「内戦」を煽る…
  • 9
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、…
  • 10
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍…
  • 1
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 2
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分かった驚きの中身
  • 3
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の物体」にSNS大爆笑、「深海魚」説に「カニ」説も?
  • 4
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ…
  • 5
    筋肉はマシンでは育たない...器械に頼らぬ者だけがた…
  • 6
    【動画あり】トランプがチャールズ英国王の目の前で…
  • 7
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、…
  • 8
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍…
  • 9
    日本の小説が世界で爆売れし、英米の文学賞を席巻...…
  • 10
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 6
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 9
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 10
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中