最新記事

韓国

韓国の次期大統領選有力候補は、いずれも人気も実績もなく「最初から失格」?

2021年10月19日(火)17時30分
佐々木和義

李在明知事は好感34%に対して非好感は58%

韓国の大統領は、経験や実績ではなく、人気で選ばれる傾向がある。民主化で直接選挙制が導入された1987年以降の7人の大統領のうち、閣僚経験者は金大中政権下で7か月のみ海洋水産相を努めた盧武鉉元大統領ただ1人で、朴槿恵前大統領は朴正煕政権後半の事実上のファーストレディで、文在寅現大統領も盧武鉉政権時に大統領府に勤務したが閣僚経験は一度もない。

事実上は人気投票だが、世論調査会社韓国ギャラップが10月8日に発表したアンケート調査によると次期大統領の選好度は李在明知事が25%、尹錫悦前検事総長が20%にとどまっている一方、保留または他の候補者を望む回答が31%で最も多かった。

ギャラップはまた、民主党が李在明知事を公認候補に選出する前の9月中旬、有力候補の好感度と非好感度を調査した。李在明知事は好感34%に対して非好感は58%、李洛淵前代表は好感25%で非好感は60%、国民の力の尹錫悦前総長は好感30%、非好感60%、洪準杓議員は好感28%、非好感64%といずれも非好感が好感を大きく上回っていた。

前回の大統領選(17年5月9日)を3か月後に控えた同年2月の調査では、文在寅候補は好感47%に対し非好感46%で、有力対抗馬だった安熙正(アン・ヒジョン)忠清南道知事は好感54%、非好感37%だった。

次期大統領選の有力候補者、実績や経験もなければ人気もない

12年の大統領選挙は朴槿恵と文在寅の一騎討ちとなり、51.6%を獲得した朴槿恵が当選した。朴槿恵は民主化以降、ただ1人過半数を獲得した大統領で、盧武鉉が48.9%、李明博が48.7%で続いている。15人の候補者が乱立した前回の大統領選は文在寅が41.08%を獲得した。

選挙まで半年を切ったいま、好感度が30%に満たない次期大統領選の有力候補者は、いずれも実績や経験もなければ人気もなく、中央日報は「最初から失格」と論じている。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

インド4月自動車販売、大手4社まだら模様 景気減速

ビジネス

三菱商事、今期26%減益見込む 市場予想下回る

ワールド

米、中国・香港からの小口輸入品免税撤廃 混乱懸念も

ワールド

アングル:米とウクライナの資源協定、収益化は10年
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 5
    ウクライナ戦争は終わらない──ロシアを動かす「100年…
  • 6
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    目を「飛ばす特技」でギネス世界記録に...ウルグアイ…
  • 9
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 10
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 8
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中