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あなたは豪雨災害がなぜ起こるかを分かっていない 命を守るため「流域」を確認せよ

2021年7月13日(火)18時40分
岸 由二(慶應義塾大学名誉教授) *東洋経済オンラインからの転載

流域とは、雨の水を川に変換する大地の構造です。

『生きのびるための流域思考』大地の凸凹構造、地形そのものという面でみれば、流域は「大小高低にかかわらず尾根という大地の盛り上がりに囲まれた窪地」と定義できます。窪地であれば、すべてが流域かというと実はそう簡単ではありません。南極の氷の大地にも、サハラ砂漠にも、大地の隆起陥没や風の力で形成される凸凹がありますが、それらについては、ここでは流域と呼ばないことにしておきましょう。流域は「雨の降る大地における固有の凸凹」です。

雨の降る大地で尾根に囲まれた窪地は、雨の水を集めてその一部(場合によってはほとんど)を流水にして、川・水系に変換して海や湖に注ぎ込みます。流域は、雨の水を水系に集める尾根に囲まれた大地の窪地です。雨の降る陸域において、雨の水を水系に変換する地表における水循環の単位地形なのです。

頭上の雨だけを見ていても水土砂災害はわかりません。雨は流域で集められ、災害を引き起こすからです。まずは、自分がどこの流域のどの位置に属しているのかを知ることが第一歩です。

岸 由二(きし・ゆうじ)

慶應義塾大学名誉教授
1947年東京生まれ。横浜市立大学生物科卒業。東京都立大学理学部博士課程修了。進化生態学。流域アプローチによる都市再生に注力し、鶴見川流域、多摩三浦丘陵などで実践活動を推進中。NPO法人鶴見川流域ネットワーキング、NPO法人小網代野外活動調整会議、NPO法人鶴見川源流ネットワークで代表理事。著書に『自然へのまなざし』(紀伊國屋書店)『流域地図の作り方』(ちくまプリマー新書)。共著に『「奇跡の自然」の守りかた』(ちくまプリマー新書)、訳書にウィルソン『人間の本性について』(ちくま学芸文庫)、共訳にドーキンス『利己的遺伝子』(紀伊國屋書店)など。


※当記事は「東洋経済オンライン」からの転載記事です。元記事はこちら
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