人口減少が近づく中国 子育てにかかる費用とは
家庭が負担する教育費を抑えることにより、子どもへのプレッシャーを緩和し出生率を引き上げるため、中国は活気を帯びる学習塾産業への締め付けを開始している。
上海社会科学院による2019年の調査報告書では、上海の高級地区である静安区で生活する平均的な家庭では、誕生から中学校卒業(通常15歳)までに、子ども1人あたり約84万元を支出している。そのうち、教育費だけでも51万元だ。
この報告書によれば、静安区・閔行区の低所得世帯(年収5万元以下)の場合、収入の70%以上を子どもに費やしているという。
「寝そべる」態度
1人っ子として多くの費用を投じて育てられたことによるプレッシャーだけでなく、いずれは両親の介護を期待されていることもあり、多くの若者は自分では子どもを持つことに腰が引けてしまっている。
ソーシャルメディアには、そうした若者の姿勢を捉えた新しい流行語が登場することも珍しくない。最近では、「寝そべる」という意味の「躺平」だ。これも流行語の「内巻(無意味な競争に巻き込まれた状態)」に悩まされる社会に対する幻滅感を表わす言葉である。
これ以前には、自虐的な敗北主義に浸る「喪」文化の台頭、そして若者の厭世的な態度を指す「仏系青年」という言葉もあった。
(翻訳:エァクレーレン)

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