最新記事

核開発

米国とイラン、核合意めぐりウィーンで6日から間接協議

2021年4月3日(土)09時14分

イランと米国の両政府は2日、イラン核合意の回復に向けた当事国交渉の一環として、6日からウィーンで間接的に協議することを明らかにした。2015年の核合意、提供写真。(2021年 ロイター)

イランと米国の両政府は2日、イラン核合意の回復に向けた当事国交渉の一環として、6日からウィーンで間接的に協議することを明らかにした。

イランは直接協議を拒否しているが、両国が欧州も加わったウィーンでの会合に参加することで、全ての当事国のよる核合意再建への努力を促すことになりそうだ。

調停役の欧州連合(EU)の高官は2カ月以内の合意を目指すと語った。イランは6月に選挙を控えている。

トランプ前米大統領は2018年、核合意から離脱し、イランへの制裁を復活。イランは核合意による制限を一部破った。バイデン米大統領は核合意に復帰したい意向だ。欧州外交筋は「イランと米国は同じ場所(ウィーン)にいるが、同じ部屋には入らない」と述べた。

米国務省のプライス報道官は「難しい協議が待っており、直ちに進展があるとは予想していない。ただ健全で前向きな一歩だ」とし、イランとの直接対話を排除しない姿勢を示した。

EU当局者は、米国が解除できる制裁リストと、イランが核開発で守るべき事項が「どこかの時点で合致する必要がある」と語った。

15年の核合意当事国であるイラン、中国、ロシア、フランス、ドイツ、英国は2日、協議の進展に向けてオンラインで協議した。

イランのザリフ外相はツイッターで、制裁解除と核合意事項での迅速な決着が目標とし、「イランと米国の対話はない。必要ない」とした。

2人の外交官は初回の協議は数日間続く可能性があり、その後の数週間で、2ー3回の協議があると述べた。EU当局者は「2カ月で合意に至らなければ、それは明らかに悪いニュースだ」と語った。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、ウォルツ大統領補佐官解任へ=関係筋

ビジネス

物言う株主サード・ポイント、USスチール株保有 日

ビジネス

マクドナルド、世界の四半期既存店売上高が予想外の減

ビジネス

米KKRの1─3月期、20%増益 手数料収入が堅調
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ウクライナ戦争は終わらない──ロシアを動かす「100年…
  • 5
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 6
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 7
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 8
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 9
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 10
    【徹底解説】次の教皇は誰に?...教皇選挙(コンクラ…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 8
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中