最新記事

韓国政治

韓国、ソウル・釜山の2市長選、与党惨敗 セクハラ、住宅政策失敗など文在寅政権への不満爆発

2021年4月8日(木)15時51分

韓国で7日、来年3月の大統領選の前哨戦と位置付けられる首都ソウルと第2の都市釜山の市長選挙が行われ、どちらも与党が惨敗した。写真は出口調査の結果を見守る与党「共に民主党」の党員ら、ソウルで代表撮影(2021年 ロイター/ Jung Yeon-je)

韓国で7日、来年3月の大統領選の前哨戦と位置付けられる首都ソウルと第2の都市釜山の市長選挙が行われ、どちらも与党が惨敗した。

文在寅(ムン・ジェイン)大統領は雇用創出や格差是正を掲げて2017年に就任した。しかし公約とは裏腹に住宅価格は高騰し格差は拡大。政治家の性暴力疑惑、北朝鮮との関係悪化などもあり支持率はここ数カ月に過去最低に落ち込んでいた。

文大統領は有権者の厳しい判断を真摯に受け止め、景気回復や不動産を巡る汚職問題に取り組む方針を示した。大統領報道官が明らかにした。

明知大学(ソウル)のKim Hyung-joon教授(政治学)は、文政権の経済政策の失敗、汚職問題、不動産投機問題に国民が審判を下す機会である今回の選挙での敗北によって、文大統領は完全に求心力を失い、レームダック大統領になる可能性があると述べた。

選挙管理委員会によると、ソウルでは保守系野党「国民の力」の呉世勲・元ソウル市長が57.5%の得票率で、革新系与党「共に民主党」の朴映宣候補(39.2%)に勝利した。

呉氏の勝利は出口調査で予想されていた。

25区全てを制して市長に返り咲いた呉氏は、ソウル市の再建に力を尽くし、来年の大統領選挙での政権交代につながるよう努力すると述べた。

釜山では、国民の力の朴亨埈・元大統領府政務首席秘書官が62.7%の得票率で、与党候補の金栄春氏の34.4%を上回った。

選挙委員会によると、ソウル市長選の投票率は58.2%、釜山市長選は52.7%で、地方選では初めて50%を上回った。

*内容を追加しました。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・フィット感で人気の「ウレタンマスク」本当のヤバさ ウイルス専門家の徹底検証で新事実
・新型コロナ感染で「軽症で済む人」「重症化する人」分けるカギは?
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...


今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

米北東部に寒波、国内線9000便超欠航・遅延 クリ

ワールド

米、中国の米企業制裁「強く反対」、台湾への圧力停止

ワールド

中国外相、タイ・カンボジア外相と会談へ 停戦合意を

ワールド

和平望まないなら特別作戦の目標追求、プーチン氏がウ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 3
    【世界を変える「透視」技術】数学の天才が開発...癌や電池の検査、石油探索、セキュリティゲートなど応用範囲は広大
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 6
    中国、米艦攻撃ミサイル能力を強化 米本土と日本が…
  • 7
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 8
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 9
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 10
    【クイズ】世界で最も1人当たりの「ワイン消費量」が…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 9
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中