最新記事

トランプ

米共和党は今もトランプ支持一色

Donald Trump Teases 2024 Run at CPAC: 'I May Decide to Beat Them for a Third Time

2021年3月1日(月)13時50分
クリスティーナ・チャオ

トランプは「バイデンは大統領選挙を盗んだ」という主張を繰り返した(2月28日、フロリダ州オーランド) Joe Skipper-REUTERS

<退任後初の演説を行ったトランプはバイデンの政策を激しく批判し、実際は自分が選挙に勝っていたと主張。3度目の大統領選出馬をほのめかした>

ドナルド・トランプ前大統領は2月28日午後、保守派の政治家や活動家が集う保守政治活動集会(CPAC)で演説を行った。その内容は、ジョー・バイデン大統領の移民により寛大な政策を激しく非難し、2024年の大統領選への再出馬を支持者にほのめかすものだった。

「ジョー・バイデンの大統領としての最初の1カ月は、近代史上最も悲惨なものだった。すでにバイデン政権は、雇用や家族を重視せず、国境やエネルギー、女性に関する問題を悪化させ、科学にも反する政権であることを証明した。わずか1カ月で、われわれはアメリカ・ファーストからアメリカ・ラストになってしまった」と、トランプは語った。

「その格好の例が、アメリカ南部の国境の現状だ。われわれはあれほどよくやっていたのに、今や恐ろしい危機に見舞われている。バイデンは今、すべてを台無しにしようとしている。私が退任した6週間前の時点では、アメリカの歴史で最も安全な国境ができていたのに」と、トランプは続けた。「国境の壁は素晴らしい効果をあげている。バイデンらは壁を完成させたくないのだ」

共和党内の造反議員を攻撃

トランプによれば、バイデンは前政権が強化した国境警備と安全保障措置を「無謀にも排除し」、「この国に不法移民の大規模な流入を引き起こした」。

「バイデンは、最高行政官として最も重要な職務を果たすことに失敗した。それはアメリカの法を執行することだ。これだけでも、民主党が次の中間選挙で手ひどい敗北を喫し、今から4年後に確実にホワイトハウスから去る理由になるはずだ」

聴衆は大きな歓声を上げ、立ち上がって拍手した。

トランプはその後、バイデンは2020年の大統領選挙で本当は敗北していたと嘘を繰り返し、大統領選への再挑戦をほのめかした。「実際、みなさんは今回の選挙で民主党は負けていたことを知っている。私は彼らを3度打ち負かすために決断するかもしれない」

ついこの間、連邦議会襲撃を扇動した容疑で弾劾裁判にかけられたトランプだが、その勢いは変わらない。

ここ数カ月、共和党内は、トランプ派と、トランプの支配を終わらせたい党幹部が争っている。前大統領に忠実な党員と議員の同盟は、民主党が主導したトランプの2度目の弾劾を支持した共和党員や、トランプの「メイク・アメリカ・グレート・ アゲイン(アメリカ合衆国を再び偉大な国に)」運動に反対する政治家に報復すると脅している。

実際、共和党支持の有権者の間では、トランプは今も圧倒的な支持を受けている。CPACとワシントン・タイムズ紙がCPAC参加者を対象に行なったアンケートでは、2024年の共和党予備選が今日行われるとしたら誰に投票するか?として21人の名前を挙げて尋ねたのに対し、トランプが55%と圧倒的な支持を集めた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

物価は再び安定、現在のインフレ率は需給反映せず=F

ワールド

ハセット氏のFRB議長候補指名、トランプ氏周辺から

ワールド

ゼレンスキー氏と米特使の会談、2日目終了 和平交渉

ビジネス

中国万科、償還延期拒否で18日に再び債権者会合 猶
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジアの宝石」の終焉
  • 3
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 4
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 5
    「なぜ便器に?」62歳の女性が真夜中のトイレで見つ…
  • 6
    アダルトコンテンツ制作の疑い...英女性がインドネシ…
  • 7
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 8
    極限の筋力をつくる2つの技術とは?...真の力は「前…
  • 9
    世界の武器ビジネスが過去最高に、日本は増・中国減─…
  • 10
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 1
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 2
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 5
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 6
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 7
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 8
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 9
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中