最新記事

宇宙

金星、地球、火星をフレーム内におさめた珍しい画像が撮影された

2021年2月3日(水)18時10分
松岡由希子

地球から2億5100万キロの地点から撮影された...... ESA/NASA/NRL/Solar Orbiter/SolOHI

<太陽探査機「ソーラーオービター」は、地球から2億5100万キロの宇宙空間で、金星と地球、火星を同一フレーム内にとらえた画像を撮影した...... >

欧州宇宙機関(ESA)がアメリカ航空宇宙局と共同で運用する太陽探査機「ソーラーオービター(SolO)」は、2020年11月18日、リモートセンシング機器「ヘリオスフィアイメージャー(SoloHI)」で、金星と地球、火星を同一フレーム内にとらえた画像を撮影した。

金星での初のフライバイに向けて移動中に

この画像は、金星での初のフライバイに向けた移動中、金星から4800万キロ、地球から2億5100万キロ、火星から3億3200万キロの地点で撮影されたものだ。星空を背景に、最も輝く金星が左上に確認でき、中下に地球、右下に火星が映っている。なお、太陽は、このフレームを外れた右側に位置している。

ソーラーオービターは、2020年2月9日、米フロリダ州ケープカナベラル空軍基地から打ち上げられた。太陽極域の観測と撮影を主なミッションとして、太陽を周回する。

「ヘリオスフィアイメージャー」などのリモートセンシング機器6機を含む10の観測機器が搭載されており、2021年11月までの初期航行では、ソーラーオービター周辺の状況を継続的に観測し、データを収集している。

観測史上最も太陽に近い地点から撮影

2020年5月30日には、極端紫外線撮像装置「EUI」により、観測史上最も近い太陽から7700万キロの地点で、太陽を撮影することに成功した。撮影画像では、太陽の表面近くで小さなフレアが確認され、「キャンプファイヤー」と名付けられている。

Solar_Orbiter_ss.jpg

ESA

ソーラーオービターは、12月27日、金星での初のフライバイにも成功した。ソーラーオービターの現在地は、欧州宇宙機関のウェブサイトで公開されている。

matuoka0203cc.jpg

ESA

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

ロシアが無人機とミサイルで大規模空爆、キーウでは少

ワールド

トランプ米大統領、29日に議会指導部と会談へ 予算

ワールド

トランプ米大統領、ポートランドへの派兵指示 「移民

ワールド

国連、対イラン制裁を再発動 イランは厳しい対応を警
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ハーバードが学ぶ日本企業
特集:ハーバードが学ぶ日本企業
2025年9月30日号(9/24発売)

トヨタ、楽天、総合商社、虎屋......名門経営大学院が日本企業を重視する理由

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    こんな場面は子連れ客に気をつかうべき! 母親が「怒りの動画」投稿も...「わがまま」と批判の声
  • 2
    トイレの外に「覗き魔」がいる...娘の訴えに家を飛び出した父親が見つけた「犯人の正体」にSNS爆笑
  • 3
    【クイズ】世界で1番「がん」になる人の割合が高い国はどこ?
  • 4
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
  • 5
    高校アメフトの試合中に「あまりに悪質なプレー」...…
  • 6
    「戻れピカチュウ!」トルコでの反体制デモで警官隊…
  • 7
    国立西洋美術館「オルセー美術館所蔵 印象派―室内を…
  • 8
    「逃げて」「吐き気が...」 キッチンで「不気味すぎ…
  • 9
    「不気味すぎる...」メキシコの海で「最恐の捕食者」…
  • 10
    日本の小説が世界で爆売れし、英米の文学賞を席巻...…
  • 1
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 2
    日本の小説が世界で爆売れし、英米の文学賞を席巻...「文学界の異変」が起きた本当の理由
  • 3
    トイレの外に「覗き魔」がいる...娘の訴えに家を飛び出した父親が見つけた「犯人の正体」にSNS爆笑
  • 4
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
  • 5
    【クイズ】世界で1番「がん」になる人の割合が高い国…
  • 6
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ…
  • 7
    筋肉はマシンでは育たない...器械に頼らぬ者だけがた…
  • 8
    コーチとグッチで明暗 Z世代が変える高級ブランド市…
  • 9
    こんな場面は子連れ客に気をつかうべき! 母親が「怒…
  • 10
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 5
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 6
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 7
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 8
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 9
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 10
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中