最新記事

ロシア

トランプ支持者たちがロシアに移民希望?──ロシアの巻き返しが始まった

Russia Exploits U.S. Turmoil for Propaganda

2021年1月19日(火)17時37分
デービッド・ブレナン

迫害を恐れてアメリカからロシアに逃れた人物といえば、最も有名なのがエドワード・スノーデンだ。スノーデンは米国家安全保障局(NSA)による違法な大規模監視システムの詳細を記した機密文書を暴露した後、米政府の訴追を逃れるためにロシアに亡命した。スノーデンをかくまったプーチンは、ロシアを「権威主義や政府の権力乱用と闘う者たちの避難所」とアピールすることに成功した。

しかしロシアは決して、言論や政治的活動の自由が保障されている場所ではない。ウラジーミル・プーチン大統領率いるロシア政府は近年、インターネットの規制を大幅に強化して、反体制派の検閲や政府に批判的なサイトの遮断を行ってきた。プーチンによる独裁体制を声高に批判するジャーナリストや活動家は、嫌がらせを受けたり収監されたりしてきた。殺害された者もいる。

17日のナワリヌイの一件も然りだ。反体制派指導者のナワリヌイは、2020年8月の暗殺未遂事件後に療養していたドイツからロシアに帰国した直後に、ロシア当局に身柄を拘束された。

民主主義の「祝賀は終わった」

バイデン次期政権の国家安全保障担当大統領補佐官に就くジェイク・サリバンは、ナワリヌイの身柄拘束を強く非難。「直ちにナワリヌイを釈放すべきであり、彼の命を狙った凶悪事件の犯人は責任を問われるべきだ」とツイッターに投稿した。サリバンはさらに、ナワリヌイに対する執拗な攻撃は「人権侵害にあたるだけではなく、声を聞いてもらいたいロシアの人々への侮辱だ」と批判した。

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は18日、国際社会の怒りは「ポーズ」だと一蹴。ナワリヌイの身柄拘束はアメリカにとって、国内の対立から国民の注意を逸らす恰好の材料だろうと述べた。

ラブロフはモスクワで開いた記者会見で、西側諸国の政治家が「ナワリヌイのロシア帰国のニュースに嬉々として飛びついた」と皮肉った。「西側諸国の政治家たちはこの問題を批判することで、リベラルな発展モデルが直面している深刻な危機から国民の注意を逸らすことができると考えているようだ」

プーチンの熱心な支持者たちは、米議事堂襲撃事件をこぞって批判した。ロシア下院外交委員長のコンスタンティン・コサチョフはフェイスブックに「民主主義の祝賀は終わった」と投稿。世界の民主主義の手本を自認してきたアメリカの主張はくじかれたと主張した。

ニューズウィーク日本版 健康長寿の筋トレ入門
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年9月2日号(8月26日発売)は「健康長寿の筋トレ入門」特集。なかやまきんに君直伝レッスン/1日5分のエキセントリック運動

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米PCE価格、7月前年比+2.6% コアは4カ月ぶ

ワールド

再送-イランで死刑執行が大幅増、今年800人超=国

ワールド

米、パレスチナ当局者へのビザ発給を拒否 国連総会を

ワールド

イスラエル、ガザ援助物資搬入のための一時停戦を終了
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:健康長寿の筋トレ入門
特集:健康長寿の筋トレ入門
2025年9月 2日号(8/26発売)

「何歳から始めても遅すぎることはない」――長寿時代の今こそ筋力の大切さを見直す時

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 2
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動ける体」をつくる、エキセントリック運動【note限定公開記事】
  • 3
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界がうらやむ国」ノルウェーがハマった落とし穴
  • 4
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 5
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 6
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 7
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 8
    自らの力で「筋肉の扉」を開くために――「なかやまき…
  • 9
    トレーニング継続率は7倍に...運動を「サボりたい」…
  • 10
    「人類初のパンデミック」の謎がついに解明...1500年…
  • 1
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ女性が目にした光景が「酷すぎる」とSNS震撼、大論争に
  • 2
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 3
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット民が「塩素かぶれ」じゃないと見抜いたワケ
  • 4
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が…
  • 5
    皮膚の内側に虫がいるの? 投稿された「奇妙な斑点」…
  • 6
    なぜ筋トレは「自重トレーニング」一択なのか?...筋…
  • 7
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密…
  • 8
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動…
  • 9
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 10
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界が…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 7
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 10
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中