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イランの韓国籍タンカー拿捕の裏にトランプ恐怖症

South Korea Sending Troops, Contacting Other Nations After Iran Seizes Ship

2021年1月6日(水)18時05分
トム・オコナー

「トランプは政権末期の今、武力紛争を開始する口実を提供するために罠や挑発を仕掛けている」と、ミールユーセフィーは警告を付け加えた。「イランは自衛に十分な準備をしており、トランプの罠に対しては、公然と、そして断固として対応する」。

米軍は過去数週間に2度、核搭載可能なB-52爆撃機を中東の空に飛ばし、イランを軍事力で威嚇した。そのきっかけとなったのは、12月にイラクの首都バグダッドで起きたアメリカ大使館へのロケット弾攻撃事件だ。この事件は、イランがアメリカの国益を損なうために仕掛けたものだ、とトランプは非難した。

大統領の任期が残り2週間ほどになった今も、トランプはイランに対して外交重視のアプローチをとるライバルのジョー・バイデンが大統領選で勝利したことを認めようとしない。予測不能なトランプの行動に対する不安は世界に広がっており、友好国も敵も同様にアメリカの動きに注意深く目を光らせている。

クリス・ミラー国防長官代理が3日に発表した声明によると、USSニミッツ空母はこの海域を出発する予定だったが、「トランプ大統領や他の米政府当局者に対してイランの指導者が突きつけた新たな脅威」のために、突然残るように命じられた。「誰もアメリカ合衆国の決意を疑ってはならない」と、ミラーは付け加えた。

韓国外交部は、韓国ケミ号の早期解放を革命防衛隊に求めている。革命防衛隊はこれまでも海上交通を危険にさらしたり、重要な海の交差点の付近または内部で規則に違反した国際船舶を拿捕してきた。

微妙な南北朝鮮との関係

外交部報道官は後に本誌に対し、船の乗組員らの健康状態は良好で、韓国とイランの両方で彼らの安全を確保するための努力が行われていることを確認した。この問題を解決するためにイランと国際社会のメンバーらとの協議が行われていることを繰り返し述べた。

1月10日に予定されている崔鍾建(チェ・ジョンゴン)韓国外交部第一次官のイラン訪問は、今回の事件と関係なく行われる、と報道官は語った。

2015年に締結されたイラン核合意からアメリカが2018年に一方的に離脱し、トランプ政権が対イラン制裁を再発動する前、韓国はイラン石油の最大の輸入国のひとつだった。イランの当局者はその後、アメリカの制裁下で韓国が凍結したイランの資産数十億ドルを解除するよう韓国政府に要請している。韓国はこの問題に関して会合を続けているが、これまでのところイランの要求は拒否している。

イランは北朝鮮とは友好的な関係にある。北朝鮮もまたアメリカの経済制裁の対象であり、韓国は北朝鮮との関係改善に努力してきた。アメリカがイラン核合意を離脱した時期に前例のない形で和平交渉も進んだ。だがそこから先の米朝関係は不安定になった。アメリカではバイデンが20日に新大統領となり、北朝鮮は今月中に開催される第8回党大会を前にしているため、将来はどうなるか、まったくわからない。

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