アストラゼネカ、コロナワクチンで新たに世界規模で治験か 専門家からはデータに疑問の声
アストラゼネカが発表したデータは、目玉となる有効率以外に科学者たちが評価できる部分はほとんどなく、例えばサブグループで何人の感染が発生したのか、2回の全量投与群やプラセボ(偽薬)群で何人の感染があったかという点は明らかにされていない。
フランス国立科学研究センターのモルガンヌ・ボンセル氏は「アストラゼネカがデータを選んでいる印象を受ける」と語った。
一方、アストラゼネカは、半量投与については効果安全性評価委員会(独立データモニタリング委員会)と英規制当局によって審査され、承認されたとし、規制当局が公に「懸念はない」と確認したと説明した。
また同社広報は、報道についての質問に「データを評価中で、さらなる評価のための最善のアプローチを規制当局と検討していく」とした上で、追加のデータは「当局への提出に向け準備している既存の治験データに加えられることになる」と述べた。
オックスフォード大からコメントは得られていない。
米FDAは、アストラゼネカのワクチン治験についてコメントしていない。欧州医薬品庁(EMA)は26日、「ワクチンの有効性と安全性に関するデータが同社から届けば、数週間以内に評価する」と表明した。

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