最新記事

2020米大統領選

トランプ、政権移行開始を許可「我々は勝つと信じているが、国利益のため指示」 法廷闘争は継続

2020年11月24日(火)11時59分

トランプ米大統領(写真)は、バイデン次期政権への移行プロセスを開始することを一般調達局(GSA)のマーフィー長官に許可したと明らかにした。ホワイトハウスで20日撮影(2020年 ロイター/Carlos Barria)

トランプ米大統領は23日、バイデン次期政権への移行プロセスを開始することを一般調達局(GSA)のマーフィー長官に許可したと明らかにした。

ただ、大統領選の結果を覆すため、法廷闘争を続ける姿勢も改めて示した。

大統領選の激戦州ミシガン州ではバイデン氏の勝利が確定。選挙結果を覆そうとしているトランプ大統領への逆風が強まっている。

トランプ氏は敗北を認めていないが、民主党上院トップのシューマー院内総務は「トランプ氏が出せる敗北宣言に最も近いものではないか」とコメントした。

バイデン陣営「数日中に協議開始」

GSAのマーフィー長官は23日、大統領選で勝利を確実にした民主党のバイデン前副大統領に書簡を送り、政権移行のプロセスを正式に開始できると通知した。

トランプ大統領もツイッターに、GSAが政権移行開始を承認することを許可したと投稿した。

GSA長官が大統領選の勝者を認定しない限り、バイデン陣営には予算や政府施設、情報などが提供されないため、議会や財界関係者は認定を急ぐよう求めていた。

トランプ氏はツイッターで「エミリー(・マーフィー長官)とそのチームに最初のプロトコルに関して必要なことを行うよう提言し、私のチームにもそうするよう指示した」と述べた。

今回の決定により、バイデン氏の政権移行チームは公費と政府施設の利用が可能になるほか、国家安全保障に関する情報も定期的に提供される。

バイデン氏の政権移行チームは「数日中に新型コロナウイルス対策について連邦政府当局者との協議を開始する」と表明。国家安全保障などの問題についても協議を始める方針を示した。

GSAのマーフィー長官は、今回の決定について「私が1人で決めたものだ」と書簡で表明。「ホワイトハウスを含め、行政府から、今回の決定の延期や迅速化について直接・間接の圧力は受けていない」と述べた。

法廷闘争は継続

トランプ氏は、ツイッターに「われわれは訴訟を精力的に続ける。善戦が続くだろう。そして勝つと信じている」と投稿。

トランプ氏の顧問は、今回の決定について、敗北宣言ではないと主張しているが、ホワイトハウスも政権移行業務を開始する時期が来たと判断したようだ。

バイデン氏は23日、国務長官にアントニー・ブリンケン氏、国家安全保障担当の大統領補佐官にジェイク・サリバン氏、国連大使にリンダ・トーマス・グリーンフィールド氏を起用する人事を発表した。

トランプ政権の関係者はロイターに対し、バイデン氏の政府機関審査チームが、早ければ24日にも現政権関係者との協議を開始する可能性があるとの見方を示した。

*内容を追加します。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・アメリカ大統領選挙、敗残のトランプを待ち構える訴訟の山 検察による刑事捜査も
・巨大クルーズ船の密室で横行する性暴力


ニューズウィーク日本版 高市早苗研究
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年11月4日/11日号(10月28日発売)は「高市早苗研究」特集。課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国財政省、国家債務管理部門を新設 地方政府の「隠

ビジネス

MS、UAEに150億ドル投資 エヌビディア製半導

ワールド

米航空便の遅延急増、航空管制官の欠勤増加 政府機関

ビジネス

スターバックス、中国事業経営権を博裕資本に売却へ 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつかない現象を軍も警戒
  • 3
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った「意外な姿」に大きな注目、なぜこんな格好を?
  • 4
    「あなたが着ている制服を...」 乗客が客室乗務員に…
  • 5
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 9
    「白人に見えない」と言われ続けた白人女性...外見と…
  • 10
    これをすれば「安定した子供」に育つ?...児童心理学…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 10
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中