最新記事

2020米大統領選

アメリカ大統領選討論会、トランプとバイデンが対決 コロナ対応や最高裁判事人事めぐり激論

2020年9月30日(水)18時18分

米大統領選の第1回候補者討論会がオハイオ州クリーブランドで開かれ、共和党候補のトランプ大統領は冒頭、最高裁判事指名を急いだ自身の決定について、前回選挙で勝利した「結果」であり、正当な権利があると主張した(2020年 ロイター/Morry Gash)

米大統領選の第1回候補者討論会が29日、オハイオ州クリーブランドで開かれた。共和党候補のトランプ大統領と民主党候補のバイデン前副大統領は、最高裁判事の指名や新型コロナウイルス対応などについて激論を交わした。

討論会は、新型コロナ感染防止ルールに従い、候補者の握手はせずに始まった。

司会者がなんとか討論をコントロールしようとしたが、両氏がそれぞれ意見を述べたり、批判し合うなど、混沌とした雰囲気が漂った。

バイデン氏が司会者の質問に答えようとするところにトランプ氏がたびたび割り込み、いらだったバイデン氏が「黙ってくれ。全く大統領らしくない振る舞いだ」と非難する場面もあった。

司会者が「両候補が遮られずに話をできたほうが、有権者にとってと良いと思う。お願いします」と呼び掛けると、トランプ氏は司会者に対し、バイデン氏にも同じことを言うよう要求。司会者は「率直に言って、あなたのほうが多く割り込んでいる」と返答した。

トランプ大統領は、白人至上主義者を糾弾するかとの質問に直接答えることなく、代わりに左翼の活動家を批判。

バイデン氏は、トランプ氏を「役に立たない人」「人種差別主義者」「プーチン(ロシア大統領)の子犬」などと呼び、「あなたは史上最悪の大統領だ」と指摘した。

これに対し、トランプ氏は「あなたに頭が切れるところは何もない」と主張した。

同国では29日夜の時点ですでに130万人超の有権者が期日前投票を済ませており、両候補は、態度未定の有権者の取り込みを急いでいる。

コロナ対応

バイデン氏は、トランプ氏の新型コロナのパンデミック対応での主導力を疑問視し、トランプ氏は経済のほうを重視しているため、パニックを起こし米国民を守ることに失敗したと指摘。

「彼(トランプ氏)はパニックになるか株式市場を見ていた。多くの人が亡くなった。彼がもっと賢く(smart)、もっと素早く対応しなければ、さらに多くの人が命を落とすことになる」と述べた。

トランプ氏は、バイデン氏の「smart」という言葉に反論し「あなた(バイデン氏)はクラスで最下位ないし最下位近くで卒業した。二度と私にsmartという言葉を使うな」と主張した。

トランプ氏は、新型コロナ対応について「われわれは素晴らしい仕事をした」と主張し、バイデン氏に「あなたはわれわれがしたようなことを決してできなかっただろう」と述べた。

バイデン氏は、トランプ氏が米兵を「負け犬」呼ばわりしたとの報道に触れ、戦争に参加しその後病死した自身の息子について「彼は負け犬ではなかった。愛国者だった」と語った。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏とゼレンスキー氏の8日の電話会談、「非常

ワールド

ウクライナに「重大な空爆の可能性」、米大使館が警告

ビジネス

エア・カナダ、米路線の予約が10%超減少 貿易摩擦

ワールド

米・イラン、11日に第4回核協議 オマーンで
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 2
    SNSにはトップレス姿も...ヘイリー・ビーバー、ノーパンツルックで美脚解放も「普段着」「手抜き」と酷評
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    教皇選挙(コンクラーベ)で注目...「漁師の指輪」と…
  • 5
    恥ずかしい失敗...「とんでもない服の着方」で外出し…
  • 6
    骨は本物かニセモノか?...探検家コロンブスの「遺骨…
  • 7
    「金ぴか時代」の王を目指すトランプの下、ホワイト…
  • 8
    ロシア機「Su-30」が一瞬で塵に...海上ドローンで戦…
  • 9
    ついに発見! シルクロードを結んだ「天空の都市」..…
  • 10
    中高年になったら2種類の趣味を持っておこう...経営…
  • 1
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 2
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 3
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 4
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 5
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 6
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 7
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 8
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 9
    野球ボールより大きい...中国の病院を訪れた女性、「…
  • 10
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中