最新記事

2020米大統領選

トランプ再選に重要な郊外票 多様化進み支持獲得にハードル

2020年8月21日(金)10時10分

経済への貢献度

米国内総生産(GDP)に占める郊外の割合は、少なくとも新型コロナ危機前まで、伸びなくなっていた。知識集約産業は都市部に集中していた。製造業誘致には広い場所が必要だ。郊外型のショッピングモールやオフィスパークも、ブームのピークを過ぎた可能性がある。

コロナ後の時代には、米国人の生活の形が大きく変わる可能性がある。しかし、その変化から恩恵を受けるのは都市部や通勤圏の郊外ではなく、もっと小さな町などになるかもしれない。既に2000年以降、国内総生産(GDP)に占める郊外の割合は頭打ちだった。

貧困率で見ると、ブルッキングス研究所の計算では、郊外では2000年代に上昇。幾つかの最大都市では、00年から15年にかけての貧困者数増加が57%に達した。

主婦

1950年代には郊外と言えば専業主婦の母親のイメージが強かったが、その時代は過ぎ去った。現在、郊外の既婚女性の多くは働いており、成人女性の既婚率は下がっている。

コロナ対策の不手際が原因で、郊外でのトランプ氏の支持率は下

がっている。ロイターが最近実施した調査によると、郊外に住む白人は、犯罪よりも経済と健康の方をはるかに懸念している。

(Howard Schneider記者)

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【関連記事】
・コロナ感染大国アメリカでマスクなしの密着パーティー、警察も手出しできず
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・新たな「パンデミックウイルス」感染増加 中国研究者がブタから発見
・韓国、ユーチューブが大炎上 芸能人の「ステマ」、「悪魔編集」がはびこる


20200825issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年8月25日号(8月18日発売)は「コロナストレス 長期化への処方箋」特集。仕事・育児・学習・睡眠......。コロナ禍の長期化で拡大するメンタルヘルス危機。世界と日本の処方箋は? 日本独自のコロナ鬱も取り上げる。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

FBIが複数の捜査官解雇、デモ隊の前でひざまずく姿

ワールド

NZは現時点パレスチナ国家承認せず、停戦の取り組み

ワールド

米国務省、コロンビア大統領のビザを取り消し 「暴力

ワールド

トランプ氏、マイクロソフトに幹部解任を要求 前政権
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ハーバードが学ぶ日本企業
特集:ハーバードが学ぶ日本企業
2025年9月30日号(9/24発売)

トヨタ、楽天、総合商社、虎屋......名門経営大学院が日本企業を重視する理由

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    トイレの外に「覗き魔」がいる...娘の訴えに家を飛び出した父親が見つけた「犯人の正体」にSNS爆笑
  • 2
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、Appleはなぜ「未来の素材」の使用をやめたのか?
  • 3
    【クイズ】世界で1番「がん」になる人の割合が高い国はどこ?
  • 4
    琥珀に閉じ込められた「昆虫の化石」を大量発見...1…
  • 5
    高校アメフトの試合中に「あまりに悪質なプレー」...…
  • 6
    砂糖はなぜ「コカイン」なのか?...エネルギー効率と…
  • 7
    週にたった1回の「抹茶」で入院することに...米女性…
  • 8
    国立西洋美術館「オルセー美術館所蔵 印象派―室内を…
  • 9
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 10
    「戻れピカチュウ!」トルコでの反体制デモで警官隊…
  • 1
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 2
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分かった驚きの中身
  • 3
    筋肉はマシンでは育たない...器械に頼らぬ者だけがたどり着ける「究極の筋トレ」とは?
  • 4
    日本の小説が世界で爆売れし、英米の文学賞を席巻...…
  • 5
    【動画あり】トランプがチャールズ英国王の目の前で…
  • 6
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ…
  • 7
    トイレの外に「覗き魔」がいる...娘の訴えに家を飛び…
  • 8
    コーチとグッチで明暗 Z世代が変える高級ブランド市…
  • 9
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
  • 10
    【クイズ】世界で1番「がん」になる人の割合が高い国…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 5
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 6
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 7
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 8
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 9
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が…
  • 10
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中