最新記事

感染症対策

「新型コロナに手指消毒が1番効く明確な理由」岩田神戸大教授

2020年5月19日(火)17時30分
岩田 健太郎(神戸大学教授) *東洋経済オンラインからの転載

昔は集中治療室に入るときに靴を履き替えたり、部屋の前にベタベタするマットを置いて、靴をベタベタさせてマットにウイルスをくっつけようとしていましたが(ぼくらは「人間ホイホイ」と呼んでました)、全く意味がないことが分かったので今はやっていません。

家の中の消毒をどこまでやればいいか、気になっている方も多いと思います。消毒したいのなら、手すりやドアノブなど手で触れるところを中心にして、床は普段のとおり掃除すればいい。見た目がきれいであればそれでいいでしょう。

それよりも、手指消毒さえしっかりしていればどこを触っても問題ないので、家のドアノブをきれいにするという発想よりは、手指消毒をしっかりするという発想のほうがより正しいんです。

「手すりの消毒」を議論するときりがない

病院で人の手がよく触れるところとして、エスカレーターの手すりがありますね。特にご高齢の方は手すりに触れないと立っていられない人も多いので、手すりに触る機会が多い。

それでは病院が、エスカレーターの手すりをどれくらい消毒しているかというと、とある病院ではお掃除の方が1日に1回消毒しています。

それを聞くと「1日1回だと、その間にウイルスに触った人がいたら困るじゃないか」なんて言い出す人が出てくるかもしれませんが、それなら15分に1回消毒をしますか? でもその15分の合間に誰か触るかもしれないですね。なら5分に1回にしますか? それでも不安なら3分に1回にするの......とか、この議論をするときりがないんです。こんなの無間地獄ですよ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ECB、動向次第で利下げや利上げに踏み切る=オース

ビジネス

ユーロ圏の成長・インフレリスク、依然大きいが均衡=

ビジネス

アングル:日銀、追加利上げへ慎重に時機探る 為替次

ワールド

トランプ大統領、ベネズエラとの戦争否定せず NBC
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 2
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末路が発覚...プーチンは保護したのにこの仕打ち
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    ゆっくりと傾いて、崩壊は一瞬...高さ35mの「自由の…
  • 6
    おこめ券、なぜここまで評判悪い? 「利益誘導」「ム…
  • 7
    中国の次世代ステルス無人機「CH-7」が初飛行。偵察…
  • 8
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 9
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 10
    9歳の娘が「一晩で別人に」...母娘が送った「地獄の…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 6
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 7
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 8
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 9
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 10
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中