最新記事

感染症対策

WHO、新型コロナウイルス抑制にマスクの効果認める 手洗い・社会的距離と共に感染防止対策の一つ

2020年4月4日(土)11時08分

WHOは3日、新型コロナウイルスに対応するに当たりマスクの使用やその他の手段で口元を覆うことが感染拡大抑制の一助になる可能性があるとの見解を示した。写真はニューヨーク証券取引所で3月9日撮影。Bryan Smith - REUTERS

世界保健機関(WHO)は3日、新型コロナウイルスに対応するに当たりマスクの使用を主に医療関係者に集中させる必要があるとの見解を変えていないとしながらも、手作りのマスクの使用やその他の手段で口元を覆うことが感染拡大抑制の一助になる可能性があるとの見解を示した。

WHOで緊急事態対応部門を統括するマイケル・ライアン氏は「外科用マスクは第一線で対応する医療関係者のためにとっておく必要があるが、咳やくしゃみ(による飛沫の拡散)を防止するためにマスクを使ったり、口元を覆ったりすることは悪い考えではない」と指摘。マスク着用について議論することは「極めて重要」との認識を示した。

その上で、マスク着用は全般的な感染防止対策の一環と考えるべきで、手洗い、ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離)の敢行の必要性を否定するものではないとしながらも、「手作りのマスクや布製のマスクを一般市民が使用することは、新型ウイルス感染拡大の全般的な抑制の一助になる可能性がある」と述べた。

米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長はこの日、新型ウイルスの感染拡大抑制に向け、外出する際は他人との間に適切な距離を取る措置に加え、マスクなどで顔を覆うことを推奨する姿勢を表明。ただ「マスク着用はフィジカル・ディスタンシング(物理的距離の確保)に追加して行うもので、代替するものではない」と述べた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・「アビガン」は世界を救う新型コロナウイルス治療薬となれるか
・新型コロナに「脳が壊死」する合併症の可能性
・米大、新型コロナウイルス用「貼るワクチン」動物実験で効果確認


cover200407-02.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年4月7日号(3月31日発売)は「コロナ危機後の世界経済」特集。パンデミックで激変する世界経済/識者7人が予想するパンデミック後の世界/「医療崩壊」欧州の教訓など。新型コロナウイルス関連記事を多数掲載。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

プーチン大統領、トランプ氏にクリスマスメッセージ=

ワールド

ローマ教皇レオ14世、初のクリスマス説教 ガザの惨

ワールド

中国、米が中印関係改善を妨害と非難

ワールド

中国、TikTok売却でバランスの取れた解決策望む
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...どこでも魚を養殖できる岡山理科大学の好適環境水
  • 4
    「時代劇を頼む」と言われた...岡田准一が語る、侍た…
  • 5
    ノルウェーの海岸で金属探知機が掘り当てた、1200年…
  • 6
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 7
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 10
    【銘柄】「Switch 2」好調の任天堂にまさかの暗雲...…
  • 1
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 5
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 6
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 7
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 8
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 9
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 10
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 8
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中