最新記事

経済活動再開

米国、新たにコロラドなど複数の州が一部経済再開へ

2020年4月27日(月)09時06分

米国では今週、新たに複数の州が経済再開に向け、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するための制限措置を緩和する見通し。コロラド州デンバーで2014年撮影(2020寝年 ロイター/Rick Wilking)

米国では今週、新たに複数の州が経済再開に向け、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するための制限措置を緩和する見通しだ。

公衆衛生専門家らは人との接触が増えれば、感染例が再び急増する可能性があると警告している。

コロラド、ミシシッピ、ミネソタ、モンタナ、テネシー各州は、新たな感染急増を防ぐために必要と専門家が指摘する検査・接触追跡体制なしに、試験的な経済再開を開始する。

ジョージア、オクラホマ、アラスカ、サウスカロライナ州は1カ月のロックダウン(都市封鎖)後、すでに経済再開に向けた措置を講じている。

厳しい制限措置により、3月半ば以降、失業保険を申請した米国民は過去最多の2650万人に上っている。

ホワイトハウスの経済顧問、ケビン・ハセット氏は26日、4月の米失業率は16%かそれ以上を記録するとの見通しを示した。

記者団に対し「今後数カ月はこれまでにないほどの厳しい状況になるだろう」と語った。

米国の新型コロナ感染者数は26日、96万人を突破した。死者は累計5万4700人超。

感染者数の多いニューヨーク州などは制限措置を5月半ばまで延長している。同州は26日、新たに367人の死者を報告した。3月30日以来の低水準だった。同州のクオモ知事(民主党)は、新規感染者の減少が続けば、5月15日以後は一定の注意を払いながら北部でまず建設・製造業の再開を認める方針だ。

一方、知事が主に共和党系の州はより積極的なアプローチを取っている。

テネシー州は27日にレストランの営業再開を認める方針を表明。ミシシッピ州の外出禁止令は同日に期限を迎える。

26日に新たに3人の感染を報告したモンタナ州は、社会的距離を確保する措置を取れば27日に事業の再開を認める。ミネソタ州も、一部事業の再開を27日に認める方針で、工業、製造業、事務職の8万─10万人が職場に復帰できる見通しだ。

コロラド州のポリス知事(民主党)は、27日から小売商品のドライブスルー形式の受け取り(カーブサイド・ピックアップ)を認める。

*内容を追加しました。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・米、新型コロナウイルス死者5万人突破 朝鮮戦争での戦死者数を上回る
・新型コロナウイルスは日光・高温・多湿で威力弱まる=米政府研究
・夏には感染は終息する、と考えていいのか?
・新型コロナウイルス感染症で「目が痛む」人が増えている?


20200428issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年4月28日号(4月21日発売)は「日本に迫る医療崩壊」特集。コロナ禍の欧州で起きた医療システムの崩壊を、感染者数の急増する日本が避ける方法は? ほか「ポスト・コロナの世界経済はこうなる」など新型コロナ関連記事も多数掲載。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

12月FOMCで利下げ見送りとの観測高まる、9月雇

ビジネス

米国株式市場・序盤=ダウ600ドル高・ナスダック2

ビジネス

さらなる利下げは金融安定リスクを招く=米クリーブラ

ビジネス

米新規失業保険申請、8000件減の22万件 継続受
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 4
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 5
    アメリカの雇用低迷と景気の関係が変化した可能性
  • 6
    幻の古代都市「7つの峡谷の町」...草原の遺跡から見…
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    【クイズ】中国からの融資を「最も多く」受けている…
  • 9
    EUがロシアの凍結資産を使わない理由――ウクライナ勝…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中