最新記事

アメリカ政治

トランプとNY州知事クオモが会談で和解 州の新型コロナ検査拡充を政府が支援へ

2020年4月22日(水)11時30分

米ニューヨーク州のクオモ知事は21日、新型コロナウイルス危機への対応を巡り、同州の検査能力倍増に向けて必要な資材の調達を連邦政府が支援することでトランプ大統領と合意したと明らかにした。写真は3月30日、ニューヨーク市マンハッタンで撮影(2020年 ロイター/Carlo Allegri)

米ニューヨーク州のクオモ知事は21日、新型コロナウイルス危機への対応を巡り、同州の検査能力倍増に向けて必要な資材の調達を連邦政府が支援することでトランプ大統領と合意したと明らかにした。

ホワイトハウスでトランプ氏と会談後、会見を行った。

知事によると、トランプ大統領は、米議会が今後検討する新型コロナ追加対策法案に州政府向けの支援が盛り込まれるよう取り組む考えも示唆した。

ニューヨーク州では、新型コロナ感染による入院患者数が減少傾向にある。クオモ知事は、経済再開には広範な検査が不可欠としており、ここ数日は検査拡充に向けた課題に軸足を移している。

知事は、検査に必要な資材の調達を連邦政府が引き受けることでトランプ大統領と合意したと指摘した。ニューヨーク州では検査機関に資材を供給しているメーカーは、海外調達が困難になっている。

知事はその上で、検査機関の能力拡充や人員追加を支援するのは州の役割だとし「これは賢い役割分担だ」と述べた。

また、同州の検査規模を2倍に拡大し、ウイルス検査と抗体検査を合わせて1日4万件を目指すと表明。実現には数週間かかる見通しとしたが、具体的な時期には言及しなかった。

クオモ知事は他の州知事と同様に、連邦政府に対し州への直接的な資金支援を求めてきたが、これまでに議会で可決された新型コロナ対策に州への支援は盛り込まれていない。

全米知事会は米議会に対し、州の財政を下支えするため総額5000億ドルの支援を求めている。

クオモ知事は、教職員や警察官、医療従事者の給与を支払うためニューヨーク州は資金支援を必要としているとし「州政府の資金は尽きている」と述べた。

知事によると、トランプ大統領はこうした状況に理解を示し、次の新型コロナ対策法案に州への支援が盛り込まれるよう「懸命に取り組む」考えを示したという。

*内容を追加します。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・「ストックホルムは5月には集団免疫を獲得できる」スウェーデンの専門家の見解
・日本がコロナ死亡者を過小申告している可能性はあるのか?
・アメリカの無関心が招いた中国のWHO支配
・シンガポール、新型コロナ感染1日で1426人と急増 寮住まいの外国人労働者間で拡大


20200428issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年4月28日号(4月21日発売)は「日本に迫る医療崩壊」特集。コロナ禍の欧州で起きた医療システムの崩壊を、感染者数の急増する日本が避ける方法は? ほか「ポスト・コロナの世界経済はこうなる」など新型コロナ関連記事も多数掲載。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

韓国GDP、第1四半期は前期比+1.3% 市場予想

ビジネス

バイオジェン、1―3月利益が予想超え 認知症薬低調

ビジネス

フォード、第2四半期利益が予想上回る ハイブリッド

ワールド

バイデン氏陣営、選挙戦でTikTok使用継続する方
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    マイナス金利の解除でも、円安が止まらない「当然」…

  • 6

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 7

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 8

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中