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韓国、武漢帰国者の検疫施設めぐり抗議デモ 文在寅、不安払しょくに苦心

2020年1月30日(木)13時37分

中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大を巡り、韓国の文在寅大統領(写真)は、恐怖に屈しないよう呼び掛けた。写真は14日ソウルでの代表撮影(2020年 ロイター)

中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大を巡り、韓国の文在寅大統領は30日、恐怖に屈しないよう呼び掛けた。

武漢市には約700人の韓国人が滞在しており、退避に向けて30日午前にも第1便がソウルを発つ予定だったが、聯合ニュースによると、出発が遅れている。理由は不明だが、同日中に出発する見通しという。

文大統領は演説で「新型コロナウイルスからわれわれを守るのは恐怖心や嫌悪ではなく、信頼と協力だ」と述べ、「偽ニュース」が過度な不安を生み出していると非難した。

韓国では29日、政府が武漢からの帰国者の検疫に使用する予定の施設周辺で抗議デモが起き、デモ隊がトラクターを使って施設へのアクセスを阻止した。

政府は帰国者を少なくとも2週間、同施設に隔離することを提案している。

文大統領は、最初に退避させるのは症状のない人に限定し、退避後は隔離すると強調。「政府は施設の周辺住民が不安を抱かないよう緻密な措置を講じる」とし、住民の不安払しょくに努めた。

韓国は国内で4人の感染を確認している。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

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武漢市からチャーター機で帰国する人たちが収容される予定の検疫施設がある忠清南道牙山市では、話し合いに来た行政安全部長官に反対派住民が物を投げるなど激しい抗議活動をした。 SBS 뉴스/ YouTube

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