最新記事

イラン

イラン反政府デモ3日目、けが人や発砲の情報も トランプ「抗議活動者を殺すな」

2020年1月14日(火)11時04分

イランでは13日、3日目となる反政府デモが起きた。写真はウィーンのIAEA本部前に掲げられたイラン国旗。2019年9月撮影(2020年 ロイター/Leonhard Foeger)

イランでは13日、3日目となる反政府デモが起きた。同国の革命防衛隊がウクライナの旅客機を誤って撃ち落としたことを巡り、政府が当初否定していたことに対する批判が高まっている。

ネットに投稿された動画によると、首都テヘランやイスファハンでは数百人の人々が路上に集まり、学生らは大学の外で「(イラン指導部の)聖職者たちよ、失せろ」などと声を上げた。2日間の抗議活動の様子を写した動画では、けが人が運ばれている様子や発砲音などが確認できる。ただ、警察は発砲を否定している。

トランプ米大統領はツイッターに、イランの指導者に対して「抗議活動者を殺すな」と投稿した。

イランは先週のウクライナ機墜落事故について、11日になって初めて誤射だと認めた。

国連のグテレス事務総長の報道官は13日、イランのデモ隊に対して殺傷力のある武力が行使されたとの報道もあり、十分調査する必要があると強調し、「憂慮すべきだ」と懸念を表明した。

ウクライナの外相は、自国民が犠牲になったカナダなどの5カ国が法的措置も視野に入れ、ロンドンで16日に協議すると明らかにした。

グローバル・ニューステレビとのインタビューでカナダのトルドー首相は13日、中東地域の情勢が緊迫していなければ、犠牲者は今家族とともに過ごしていたはずだと指摘。米国は、事前に通告せずにイランの革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」のソレイマニ司令官を殺害したと述べ、「米国は決断を下す。われわれは、国際社会として大きな問題で協力しようとする。ただ、時として、同盟国に知らせずに行動をとる国がある」と不満を示した。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20200121issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年1月21日号(1月15日発売)は「米イラン危機:戦争は起きるのか」特集。ソレイマニ司令官殺害で極限まで高まった米・イランの緊張。武力衝突に拡大する可能性はあるのか? 次の展開を読む。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

金総書記、プーチン氏に新年メッセージ 朝ロ同盟を称

ワールド

タイとカンボジアが停戦で合意、72時間 紛争再燃に

ワールド

アングル:求人詐欺で戦場へ、ロシアの戦争に駆り出さ

ワールド

ロシアがキーウを大規模攻撃=ウクライナ当局
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 3
    【世界を変える「透視」技術】数学の天才が開発...癌や電池の検査、石油探索、セキュリティゲートなど応用範囲は広大
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 6
    中国、米艦攻撃ミサイル能力を強化 米本土と日本が…
  • 7
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 8
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 9
    【クイズ】世界で最も1人当たりの「ワイン消費量」が…
  • 10
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 4
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 5
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中