最新記事

石油

日イラン首脳会談、安倍首相が海自派遣説明 ロウハニ大統領「理解」示す

2019年12月21日(土)08時19分

安倍晋三首相は、来日したイランのロウハニ大統領と会談し、2015年の核合意の履行を求めた。写真は都内で会談する安倍首相と労派に大統領。代表撮影(2019年 ロイター)

安倍晋三首相が20日、イランのロウハニ大統領との会談で、日本の船舶保護に向け、中東に海上自衛隊を派遣する計画を伝えたと、日本当局者が明らかにした。

当局者は首脳会談後のメディアブリーフィングで、ロウハニ大統領は同計画について、航海の安全性に貢献するという日本側の目的に理解を示したと説明した。

日本の計画では、オマーン湾、アラビア海北部、アデン湾の公海を対象区域とし、ホルムズ海峡は含まれていない。また湾岸地域での情報収集に向け駆逐艦とP3C哨戒機を配備する。緊急事態が発生した場合には、船舶の安全を確保するため、防衛相の特別命令により海上自衛隊の武器使用が認められる。

国内メディアによると、同計画は来週にも安倍内閣によって承認される見込み。

安倍首相はまた、ロウハニ大統領に対し、2015年の核合意の履行を求めたほか、中東の安定化のためにできる限りのことをすると述べた。

ロウハニ大統領は、核合意を維持できるよう日本などに協力を求めるとした。

2015年の核合意は、イランがウラン濃縮を制限する見返りに欧米諸国などが対イラン制裁を解除する内容。その後、トランプ米大統領は核合意から離脱し、対イラン制裁を強化している。

会談後、ロウハニ大統領はツイッターで「エネルギー部門を中心とする経済交流の促進や石油輸出の増加につながるあらゆる取り組みを歓迎する」と語った。

日本の当局者は、今回の首脳会議で原油の購入については議論されなかったとした。

*情報を追加します

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20191224issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

12月24日号(12月17日発売)は「首脳の成績表」特集。「ガキ大将」トランプは落第? 安倍外交の得点は? プーチン、文在寅、ボリス・ジョンソン、習近平は?――世界の首脳を査定し、その能力と資質から国際情勢を読み解く特集です。


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米、ロ石油大手の海外資産売却交渉を承認 買い手候補

ビジネス

GDP7─9月期は6四半期ぶりのマイナス成長、年率

ビジネス

NY連銀総裁、常設レポ制度活用巡り銀行幹部らと会合

ワールド

トランプ氏、カンボジアとタイは「大丈夫」 国境紛争
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生まれた「全く異なる」2つの投資機会とは?
  • 3
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃度を増やす「6つのルール」とは?
  • 4
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 5
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 6
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国…
  • 7
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 8
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 9
    レアアースを武器にした中国...実は米国への依存度が…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 9
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 10
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中