最新記事

2020米大統領選

前NY市長ブルームバーグ、米大統領選・民主党予備選への出馬検討

2019年11月8日(金)11時56分

マイケル・ブルームバーグ前ニューヨーク市長(写真)が、米大統領選に向けたアラバマ州の民主党予備選に立候補するための書類を、今週提出する見通しだと複数のメディアが7日伝えた。10月10日、デンマークのコペンハーゲンで開かれたWor;ld Mayor Summitで撮影(2019年 Ritzau Scanpix/Martin Sylvest via REUTERS)

マイケル・ブルームバーグ前ニューヨーク市長(77)が、2020年米大統領選の民主党候補指名争いへの出馬を真剣に検討している。出馬すれば、最初の予備選まであと3カ月という段階で民主党の指名争いに大きな影響を与える可能性がある。

ブルームバーグ氏はアラバマ州の民主党予備選に立候補するための書類を、今週提出する見通し。関係筋によると、この手続きで同氏は大統領選出馬の可能性を残すことになるという。

ブルームバーグ氏の広報担当者ハワード・ウォルフソン氏は声明で、ブルームバーグ氏は現在の民主党候補者が共和党の現職トランプ氏に勝てるかどうか懐疑的だと説明。

ウォルフソン氏は、ブルームバーグ氏が出馬する場合、NY市長としての実績やビジネスを立ち上げた経験などにもとづく新たな選択肢を民主党にもたらすだろうと述べ、ブルームバーグ氏なら「トランプ氏に対抗し、勝てる」との見方を示した。

金融情報サービス会社・ブルームバーグを築いたブルームバーグ氏はNY市長を2002─2013年まで務め、気候変動や銃規制に関心を持つ慈善活動家としても知られる。

同氏は民主党候補として有力視されているエリザベス・ウォーレン上院議員に批判的で、同議員が提案する超富裕層への課税にも反対している。

ブルームバーグ氏が出馬する場合、ポピュリストで進歩主義のウォーレン議員に対抗する中道派候補であるジョー・バイデン前副大統領やインディアナ州サウスベンド市のピート・ブティジェッジ市長などと競合する可能性が高い。

米国有数の資産家でもあるブルームバーグ氏は、選挙資金の大半を自身で調達することが可能だ。だが、選挙に向けた州組織の設立などの準備は急ぐ必要がある。

また、同氏は政治における企業の資金や所得の不平等を懸念する民主党リベラル派の賛同を得にくい可能性がある。指名争いに立候補しているバーニー・サンダース上院議員の陣営幹部は「資産家が政治的な力を求めることは、米国が必要な変化ではない」と指摘した。

一方、ウォーレン議員は、ブルームバーグ氏の出馬準備に関するニュースを受け、ツイッターに自身が提唱する富裕税でブルームバーグ氏が支払う額を示すリンクを貼りつけた。

現在立候補している民主党の大統領候補者は17人。ブルームバーグ氏が出馬すれば、候補者の中でサンダース氏の78歳に次いで2番目に高齢となる。

民主党の大統領候補指名争いの最初の予備選は、アイオワ州で来年2月3日に行われる。

*内容を追加しました。

[ワシントン 7日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20191112issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

11月12日号(11月6日発売)は「危ないIoT」特集。おもちゃがハッキングされる!? 室温調整器が盗聴される!? 自動車が暴走する!? ネットにつなげて外から操作できる便利なスマート家電。そのセキュリティーはここまで脆弱だった。


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

焦点:闇に隠れるパイロットの精神疾患、操縦免許剥奪

ビジネス

ソフトバンクG、米デジタルインフラ投資企業「デジタ

ビジネス

ネットフリックスのワーナー買収、ハリウッドの労組が

ワールド

米、B型肝炎ワクチンの出生時接種推奨を撤回 ケネデ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 3
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 6
    「搭乗禁止にすべき」 後ろの席の乗客が行った「あり…
  • 7
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 8
    『羅生門』『七人の侍』『用心棒』――黒澤明はどれだ…
  • 9
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 10
    ビジネスの成功だけでなく、他者への支援を...パート…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 3
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 6
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 7
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 8
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 9
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 10
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中