最新記事

核査察

イラン、IAEA女性査察官を一時拘束し渡航書類を没収

2019年11月7日(木)09時32分

イランが国際原子力機関(IAEA)の査察官を一時拘束し、渡航書類を没収した。IAEAの関係筋が話した。ウィーンで9月撮影(2019年 ロイター/Leonhard Foeger)

イランが国際原子力機関(IAEA)の査察官を一時拘束し、渡航書類を没収した。IAEAの関係筋が話した。イランによる嫌がらせだとの声も上がっている。

イランと主要6カ国が画期的な核合意を結んだ2015年以降、こうした事案は初めてとみられる。合意の下、イランは核開発を制限し、見返りに米欧が対イラン制裁を解除した。

現在イラン・米欧間は緊張が高まっている。米政権が合意から離脱し制裁を発動したことに対しイランは順次、合意の履行を停止している。またIAEAは来月から新たな事務局長が就任するにあたり、移行期間にある。

IAEAは7日に35カ国から構成される理事会を開くことを急きょ決めた。4日に流出した議題には「2つの案件における保護措置」を協議すると書かれている。

米欧当局の関係筋は「IAEAは、この事案をどれだけ深刻に受け止めているかを示したがっている。関係を損ねる前例になりかねない」と述べた。

IAEAの関係筋3人によると女性査察官がイランに渡航書類を没収された。2人の関係筋は、女性がイランに滞在中、一時拘束されたと話した。

1人の関係筋によると、事案は先週、核施設のある中部ナタンツで起きた。別の関係筋もナタンツで起きたと語っている。

核合意はIAEAが監督している。合意の下、130―150人の査察官をイランへ派遣することが認められている。

IAEAの報道官とIAEAのイラン大使はコメントしなかった。

関係筋によると理事会で協議するもう1つの議題は、首都テヘランの施設でウランが見つかったことを巡り、IAEAの説明要請にイランが十分協力していないことだ。イスラエルは施設が「秘密の原子力倉庫」だと述べている。イランは絨毯を清掃する施設だと説明している。

IAEAは施設でウランが見つかったことを正式には確認していないものの、9月にイランに対し、回答を巡る「期間厳守」を求めた。そして10月にはイランの協力姿勢に改善がみられたと報告した。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20191112issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

11月12日号(11月6日発売)は「危ないIoT」特集。おもちゃがハッキングされる!? 室温調整器が盗聴される!? 自動車が暴走する!? ネットにつなげて外から操作できる便利なスマート家電。そのセキュリティーはここまで脆弱だった。


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

「ザラ」親会社、2月は予想通り9%増収 25年の利

ワールド

ペルシャ湾内で商船三井の船舶に衝撃、船尾に損傷 乗

ワールド

イラン、米・イスラエル関連の域内経済・銀行拠点をを

ワールド

豪、イラン女子サッカーチーム2人に追加で人道ビザ 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開された皇太子夫妻の写真が話題に
  • 4
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 5
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 6
    40年以上ぶり...イスラエル戦闘機「F-35I」が、イラ…
  • 7
    「一日中見てられる...」元プロゴルファー女性の「目…
  • 8
    人間ダンサーを連れて「圧巻のパフォーマンス」...こ…
  • 9
    イランがドバイ国際空港にドローン攻撃...爆発の瞬間…
  • 10
    ホルムズ海峡封鎖、石油危機より怖い「肥料ショック」
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで続くのか
  • 4
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 5
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗…
  • 6
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 7
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 8
    日本の保護者は自分と同じ「大卒」の教員に敬意を示…
  • 9
    中国はイランを見捨てた? イランの「同盟国」だっ…
  • 10
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中