トランプ弾劾調査の行方 ホワイトハウスの協力拒否に理はあるか
トランプ氏への弾劾は違憲か
複数の専門家は違憲ではないとみている。
ミズーリ大学のフランク・ブラウン教授(法学)は、憲法では弾劾調査に関して下院に基本ルールを定める自由が保障されている。
下院本会議の可決は必要とされず、下院がトランプ氏の弁護士を調査に加える義務もないし、トランプ氏には自分にとって好ましいやり方で調査せよと主張できる法的根拠はない、とブラウン氏は話す。
またトランプ氏はしばしば、裁判所が救済措置を講じることを当てにするが、今回はそうした選択肢は存在しない。
以前に議会の弁護士を務めたマイケル・スターン氏は、最高裁を含めた連邦裁判所は弾劾調査の法的な正当性を審理しないと指摘。「この手続きにおいて裁判所の出番はない」と説明した。
ただ専門家も、トランプ氏に基本的な保護権を付与して同氏の弁護士を調査に参加させれば、手続きの公正さが増すという点には同意している。ワシントンの弁護士、ロス・ガーバー氏は、民主党にとってそれが政治的には賢い行動ではないかとの見方を示した。
ガーバー氏は、米国の法制度で標準的な法的保護を提供せずに手続きを先に進めれば、国民が弾劾調査の正当性に疑問を持つかもしれない、と警告した。


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