最新記事

アメリカ政治

トランプ弾劾調査の行方 ホワイトハウスの協力拒否に理はあるか

2019年10月16日(水)08時59分

トランプ氏への弾劾は違憲か

複数の専門家は違憲ではないとみている。

ミズーリ大学のフランク・ブラウン教授(法学)は、憲法では弾劾調査に関して下院に基本ルールを定める自由が保障されている。

下院本会議の可決は必要とされず、下院がトランプ氏の弁護士を調査に加える義務もないし、トランプ氏には自分にとって好ましいやり方で調査せよと主張できる法的根拠はない、とブラウン氏は話す。

またトランプ氏はしばしば、裁判所が救済措置を講じることを当てにするが、今回はそうした選択肢は存在しない。

以前に議会の弁護士を務めたマイケル・スターン氏は、最高裁を含めた連邦裁判所は弾劾調査の法的な正当性を審理しないと指摘。「この手続きにおいて裁判所の出番はない」と説明した。

ただ専門家も、トランプ氏に基本的な保護権を付与して同氏の弁護士を調査に参加させれば、手続きの公正さが増すという点には同意している。ワシントンの弁護士、ロス・ガーバー氏は、民主党にとってそれが政治的には賢い行動ではないかとの見方を示した。

ガーバー氏は、米国の法制度で標準的な法的保護を提供せずに手続きを先に進めれば、国民が弾劾調査の正当性に疑問を持つかもしれない、と警告した。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます




20191022issue_cover200.jpg
※10月22日号(10月16日発売)は、「AI vs. 癌」特集。ゲノム解析+人工知能が「人類の天敵」である癌を克服する日は近い。プレシジョン・メディシン(精密医療)の導入は今、どこまで進んでいるか。



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ヒズボラ、爆発の数時間前までポケベル配布=治安筋

ビジネス

米国株式市場=ダウ最高値、ナイキが高い フェデック

ビジネス

ボーイング、米2州で従業員の一時帰休開始 ストライ

ワールド

一部州で期日前投票始まる、米大統領選 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ニュースが分かる ユダヤ超入門
特集:ニュースが分かる ユダヤ超入門
2024年9月17日/2024年9月24日号(9/10発売)

ユダヤ人とは何なのか? なぜ世界に離散したのか? 優秀な人材を輩出した理由は? ユダヤを知れば世界が分かる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    がん治療3本柱の一角「放射線治療」に大革命...がんだけを狙い撃つ、最先端「低侵襲治療」とは?
  • 2
    世界で最も華麗で高額な新高層ビルに差す影
  • 3
    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖
  • 4
    NewJeans所属事務所ミン・ヒジン前代表めぐりK-POPフ…
  • 5
    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…
  • 6
    浮橋に集ったロシア兵「多数を一蹴」の瞬間...HIMARS…
  • 7
    ロシア防空ミサイルが「ドローン迎撃」に失敗...直後…
  • 8
    他人に流されない、言語力、感情の整理...「コミュニ…
  • 9
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 10
    ウクライナ水上ドローンが、ヘリからの機銃掃射を「…
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    クローン病と潰瘍性大腸炎...手ごわい炎症性腸疾患に高まる【新たな治療法】の期待
  • 3
    キャサリン妃とメーガン妃の「ケープ」対決...最も優雅でドラマチックな瞬間に注目
  • 4
    北朝鮮、泣き叫ぶ女子高生の悲嘆...残酷すぎる「緩慢…
  • 5
    世界で最も華麗で高額な新高層ビルに差す影
  • 6
    北朝鮮で10代少女が逮捕、見せしめに...視聴した「禁…
  • 7
    【クイズ】自殺率が最も高い国は?
  • 8
    エリザベス女王とフィリップ殿下の銅像が完成...「誰…
  • 9
    ロシア空軍が誇るSu-30M戦闘機、黒海上空でウクライ…
  • 10
    「ポケットの中の爆弾」が一斉に大量爆発、イスラエ…
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    エリート会社員が1600万で買ったマレーシアのマンションは、10年後どうなった?「海外不動産」投資のリアル事情
  • 3
    年収分布で分かる「自分の年収は高いのか、低いのか」
  • 4
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレ…
  • 5
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン…
  • 6
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは.…
  • 7
    「あの頃の思い出が詰まっている...」懐かしのマクド…
  • 8
    止まらない爆発、巨大な煙...ウクライナの「すさまじ…
  • 9
    ロシア国内クルスク州でウクライナ軍がHIMARS爆撃...…
  • 10
    「ローカリズムをグローバルにという点で、Number_i…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中