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トルコ軍、トランプが見捨てたクルド人勢力に地上攻撃を開始 駐留米軍は危機、IS捕虜は逃亡の可能性も

U.S.Forces Face Increased Danger in Syria.

2019年10月10日(木)19時30分
ジェームズ・ラポルタ

ボーマンが言うのは、今年2月にジョセフ・ボテル前中央軍司令官が上院軍事委員会で、昨年12月にトランプがシリアの北西部からやはり米軍を撤収させると表明した際、事前の「相談はなかった」と証言したことだ。

「この発表については知らなかった。もちろん、彼が過去にイラクを去り、シリアを去りたいという願望なり意図を表明していたことは、われわれも知っているが」と、ボテルは証言した。ボテルは今年3月、シリア東部の村バグズでISの最後の拠点を壊滅させる作戦を成功させた後、退役した。

本誌が接触した国家安全保障会議の情報筋は、米軍の撤収とトルコの攻撃で、IS掃討作戦の成果が台無しになると危惧していた。

「ISの捕虜の少なくとも一部は、混乱に乗じて逃亡し、この地域に残るか、別の場所に移って戦列に戻るだろう」

昨年12月にトランプがシリア撤収を表明したことは、ジェームズ・マティス元国防長官を辞任に追いやる一因ともなった。マティスはトランプ政権内で「大人」と言われた数少ない側近の最後の1人で、シリア撤退に強く反対していた。

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