最新記事

殺人

サウジ皇太子、記者殺害「知らないところで起きたが監督責任は私に」

2019年9月27日(金)13時00分

米公共放送PBSが来週放送予定のドキュメンタリー番組によると、サウジアラビアの実力者であるムハンマド皇太子(写真)は、昨年10月にトルコのサウジ領事館で起きたサウジ人記者カショギ氏の殺害事件について、自身の監督下で起きたことだとし、責任は自分にあると認めた。6月にメッカで撮影(2019年 ロイター/Waleed Ali)

米公共放送PBSが来週放送予定のドキュメンタリー番組によると、サウジアラビアの実力者であるムハンマド皇太子は、昨年10月にトルコのサウジ領事館で起きたサウジ人記者カショギ氏の殺害事件について、自身の監督下で起きたことだとし、責任は自分にあると認めた。

PBSは、カショギ氏の一周忌を控え、10月1日に「The Crown Prince of Saudi Arabia」を放送予定で、映像の一部が公開された。

ムハンマド皇太子はPBSの記者にカショギ氏の殺害事件について「私の監督下で起きた。全ての責任は私にある」と語ったという。ただ、自身が知らないところで起きた事件だと説明した。

自身が知らずにどのようにそうした殺人が起きるのかとの質問に対して「サウジには2000万人の国民がいる。公務員の数は300万人だ」と述べたという。

事件から数週間後にムハンマド皇太子は、カショギ氏殺害は「凶悪な犯罪」で「痛ましい出来事だ」と述べ、責任を負うべき者は裁かれると述べていた。

カショギ氏の婚約者は、ニューヨークの国連総会の合間に開かれたイベントで、ムハンマド皇太子に対して2つの質問があると述べ、誰が殺害を指示し、その理由は何かを知りたいと訴えた。

「今回の告白で、皇太子は殺害から自分を遠ざけようとしている。自身の監督下で起きたことだと認める一方で、関与は否定している。皇太子の発言は単に政治的な策略だ」と批判した。

*見出しを修正しました。

[リヤド 26日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます




20191001issue_cover200.jpg
※10月1日号(9月25日発売)は、「2020 サバイバル日本戦略」特集。トランプ、プーチン、習近平、文在寅、金正恩......。世界は悪意と謀略だらけ。「カモネギ」日本が、仁義なき国際社会を生き抜くために知っておくべき7つのトリセツを提案する国際情勢特集です。河東哲夫(外交アナリスト)、シーラ・スミス(米外交問題評議会・日本研究員)、阿南友亮(東北大学法学研究科教授)、宮家邦彦(キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)らが寄稿。



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ミャンマーで総選挙投票開始、国軍系政党の勝利濃厚 

ワールド

米北東部に寒波、国内線9000便超欠航・遅延 クリ

ワールド

米、中国の米企業制裁「強く反対」、台湾への圧力停止

ワールド

中国外相、タイ・カンボジア外相と会談へ 停戦合意を
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 3
    【世界を変える「透視」技術】数学の天才が開発...癌や電池の検査、石油探索、セキュリティゲートなど応用範囲は広大
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 6
    中国、米艦攻撃ミサイル能力を強化 米本土と日本が…
  • 7
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 8
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 9
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 10
    【クイズ】世界で最も1人当たりの「ワイン消費量」が…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 9
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中