最新記事

ブレグジット

ジョンソン「10月末EU離脱、ただし合意なき離脱の確率は100万分の1」

2019年6月27日(木)12時02分

メイ英首相の後任に有力視されているジョンソン前外相は26日、英国の合意なしの欧州連合(EU)離脱が10月末に実現する確率は極めて低いとの見方を示した。ロンドンで撮影(2019年 ロイター/Hannah McKay)

メイ英首相の後任に有力視されているジョンソン前外相は26日、英国の合意なしの欧州連合(EU)離脱が10月末に実現する確率は極めて低いとの見方を示した。

ジョンソン氏は前日、「何があろうとも」10月末にEUを離脱すると改めて約束し、議会内の穏健派らは同氏が合意なき離脱を強行する構えだと懸念している。

ただ同氏はこの日の演説で、欧州の指導者と議会には修正した離脱案を承認しようという新たな雰囲気が出来ていると指摘。「われわれが必要とする離脱合意を獲得しようとするなら、合意なき離脱への準備もしていくことが不可欠だ。(しかし)合意なき離脱が最終的な結末だとは思わないし、起きる確率は100万分の1だろう」と語った。

一方、次期首相となる与党・保守党の党首選決選投票にジョンソン氏とともに進んだハント外相は、ジョンソン氏が何が何でも10月末に離脱するという「一か八か」のやり方について、英国のEU離脱自体と政権を台無しにしかねないと批判した。ハント氏は合意が見える場合は離脱期日の延長を求める姿勢を示している。

ハント氏はBBCラジオで「ジョンソン氏のような方法を取れば、今年3月のように議会がストップするので総選挙に突入し、(野党・労働党の)コービン党首が首相となって、結局EU離脱がなくなるだろう」と警告した。

労働党などの野党勢力は、次期政権が主導して合意なき離脱に向かうのを決して認めないと宣言しており、一部議員は次期首相がそうした意向を表明すればほぼすぐに不信任動議が提出される可能性があるとけん制している。

[ロンドン ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 中国EVと未来戦争
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年10月14日号(10月7日発売)は「中国EVと未来戦争」特集。バッテリーやセンサーなどEV技術で今や世界をリードする中国が戦争でもアメリカに勝つ日

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ガザの生存人質20人全員解放、イスラエル軍発表

ビジネス

トヨタ、「センチュリー」をブランド展開 「レクサス

ワールド

中国、政府非公認教会の牧師数十人拘束

ワールド

マダガスカルでクーデターの試みと大統領、兵士が抗議
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:中国EVと未来戦争
特集:中国EVと未来戦争
2025年10月14日号(10/ 7発売)

バッテリーやセンサーなど電気自動車の技術で今や世界をリードする中国が、戦争でもアメリカに勝つ日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 2
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由とは?
  • 3
    メーガン妃の動画が「無神経」すぎる...ダイアナ妃をめぐる大論争に発展
  • 4
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 5
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 6
    「中国のビットコイン女王」が英国で有罪...押収され…
  • 7
    連立離脱の公明党が高市自民党に感じた「かつてない…
  • 8
    筋肉が目覚める「6つの動作」とは?...スピードを制…
  • 9
    車道を一人「さまよう男児」、発見した運転手の「勇…
  • 10
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな飼い主との「イケイケなダンス」姿に涙と感動の声
  • 3
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレクトとは何か? 多い地域はどこか?
  • 4
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 5
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 6
    祖母の遺産は「2000体のアレ」だった...強迫的なコレ…
  • 7
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 8
    ロシア「影の船団」が動く──拿捕されたタンカーが示…
  • 9
    ベゾス妻 vs C・ロナウド婚約者、バチバチ「指輪対決…
  • 10
    赤ちゃんの「耳」に不思議な特徴...写真をSNS投稿す…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 3
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 4
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 9
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 10
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中