最新記事

ロシア軍

ロシアの新兵器は、敵の視力を奪い嘔吐させる

Russian Weapon Makes Enemy Hallucinate, Vomit

2019年2月5日(火)14時00分
カラム・ペイトン

ロシアの飛び地カリニングラードに停泊したロシア海軍艦船。右が「アドミラル・ゴルシコフ」(2015年) Maxim Shemetov-REUTERS

<すでに実戦配備が始まっているこの防御用兵器に守られたロシア軍を、あなたは見ることができない?>

ロシア海軍の軍艦2隻に、新しい防御用兵器が装備された。実験では、「敵」は幻覚を起こし、平衡感覚を失って嘔吐したという。

ロシアの国営通信社RIAノーボスチ通信社によれば、ロシアのある武器メーカーがこの「フィリン5P-42」という「光学的視覚干渉装置」を海軍に供給しはじめている(「フィリン」はワシミミズクの意味)。

フィリンシステムを開発したルスエレクトロニクスによると、敵を幻惑し戦闘不能にするこのテクノロジーは、ロシア海軍のフリゲート艦「アドミラル・ゴルシコフ」と「アドミラル・カサトノブ」に搭載済みだ。

現在は二隻とも、大西洋で哨戒活動を行っている。

MSNニュースによると、この武器はカメラのストロボに似たビームを発射し、敵から味方の船を見えなくする。暗視装置やレーザー照準システム、対戦車ミサイルも半径5キロにわたって使用不能になる。
実験では、フィリンに守られた標的をスナイパーライフルや攻撃用武器、マシンガンなどで攻撃しようとした兵士はみな、照準を合わせることができなかった。標的がよく見えなかったのだ。

攻撃役の兵士の45%はめまいや吐き気、見当識障害などを経験した。さらに20%が幻覚を体験し、「目の前を動き回る光の玉を見た」という。ルスエレクトロニクスによれば、この武器は一時的に敵の視力も奪うという。

建造中の2隻にも、フィリンが装備される予定だ。

ニューズウィーク日本版 世界も「老害」戦争
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年11月25日号(11月18日発売)は「世界も『老害』戦争」特集。アメリカやヨーロッパでも若者が高齢者の「犠牲」に

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

EUと南アが重要鉱物に関する協力協定、多国間主義維

ビジネス

BNPパリバ、中核的自己資本比率目標引き上げ 27

ビジネス

米アボット、がん検査エグザクトサイエンスを230億

ワールド

中国、仏製戦闘機ラファールの販売妨害で偽情報作戦=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 4
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 5
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 6
    アメリカの雇用低迷と景気の関係が変化した可能性
  • 7
    中国の新空母「福建」の力は如何ほどか? 空母3隻体…
  • 8
    幻の古代都市「7つの峡谷の町」...草原の遺跡から見…
  • 9
    【クイズ】中国からの融資を「最も多く」受けている…
  • 10
    EUがロシアの凍結資産を使わない理由――ウクライナ勝…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中