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火の粉を浴びながらフォトグラファーが撮影したのは......(今年を振り返る1枚)

2018年12月17日(月)11時20分
ニューズウィーク日本版編集部

山火事の撮影をするフォトグラファーのジャスティン・サリバン(11月8日、カリフォルニア州パラダイス) Photograph by Noah Berger

<米カリフォルニア州の山火事で話題をさらった写真の裏側。ニューズウィーク日本版の写真特集「激動と混乱の2018年を振り返る」より>

今年11月、史上最悪の犠牲者を出した米カリフォルニア州の山火事で、火の粉を浴びながら撮影するフォトグラファーの写真(上)が話題になった。この写真を撮影したのは仲間のフリーカメラマン、ノア・バーガー。被写体になったのは、ゲッティ・イメージズのジャスティン・サリバンだ。

災害や紛争地などで、取材者はまず自分の身の安全を確保しなければならない。山火事の取材では、写真のように消防士と同様の防火装備に身を包む。もしもの時に備えて、仲間とともに2台の車に分乗し、常に助け合って、より安全な判断をしながら撮影を進めていく。

バージャーは「この写真を見ると、燃えさかる炎が最大の危険要因と考えがちだが、実際には倒木が最も恐ろしい。行く手を塞がれるし、車の上に覆い被さってくる可能性もある」と言う。とりわけ気を付けているのは「消防士たちの邪魔にならないことだ」。

被写体のサリバンが、この時に撮った写真はこちら。

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強風と乾燥のために急速に燃え広がった山火事のため燃え上がるレストラン(11月8日、カリフォルニア州パラダイス) Photograph by Justin Sullivan/Getty Images

20年以上にわたり、アメリカの山火事を取材してきたサリバンはこう語る。「毎年、これが自分の経験上最悪の山火事だ、と考えながら取材してきたが、次の年にはより大きな火事が起こってしまう」

今年11月にカリフォルニア州で相次いで起きた山火事では、80人以上が犠牲となった。

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