最新記事

米中関係

ファーウェイ副会長逮捕の報復で、中国がアメリカ人を人質に取る?

China Will Take Americans Hostage to Retaliate: Experts

2018年12月7日(金)14時59分
ジェイソン・レモン

ファーウェイは中国政府の「子飼い」の企業とみなされている Chris Wattie-REUTERS

中国の通信機器大手「華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)」の副会長でCFO(最高財務責任者)の孟晩舟(マン・ワンジョウ)の逮捕は、アメリカのIT業界と、米中貿易戦争に多大な悪影響を及ぼすと、専門家は指摘する。中国が報復のためにアメリカ人を人質に取るのではないかという憶測も出ている。

「ファーウェイは中国政府の『子飼い』の企業の1つだ」と、米シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)のジェームズ・ルイス技術政策部長は、ニュースサイト「アクシオス」の取材に答えている。「中国は報復のために、人質を取るだろう。もし自分がアメリカのIT企業の重役なら、今週は中国に行かない」

政策ニュースサイト「ポリティコ・プロ」の編集者マーティ・ケイディは、ツイッターの投稿で孟の逮捕は「アップルやフェイスブックの重役が中国で逮捕されるようなものだ」と指摘している。

逮捕されたファーウェイ幹部の孟晩舟


ファーウェイの創業者、任正非(レン・ジョンフェイ)の娘の孟は、先週12月1日、カナダのバンクーバーで飛行機を乗り換える際にカナダ当局に逮捕された。アメリカは身柄の引き渡しを求め、現地時間7日に保釈聴聞会が実施される予定だ。

容疑は対イラン制裁違反?

ロイター通信の報道によると、米捜査当局はファーウェイが国際的な銀行システムを使ってアメリカの対イラン制裁を回避しようとした容疑で捜査している。今年4月にも、ファーウェイは制裁に違反してネットワーク設備をイランに売却していたと報じられている。

ドナルド・トランプ米大統領は、アルゼンチンでのG20後に行った12月1日の米中首脳会談の成果を強調しているが、専門家は今回の逮捕が米中貿易をめぐる両国の交渉に悪影響を及ぼすことを懸念している。アメリカが今回の逮捕を交渉材料に使うと予測する専門家もいる。

中国社会学院の米中関係の専門家、劉衛東(リウ・ウェイドン)は、香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストの取材に対し、「(米中貿易協議の休戦期間である)今後90日間に孟逮捕のようなケースがまた起こるだろう。米中協議でアメリカ側が優位に立つために、中国の国営企業や個人に鉄槌が下る」

またオーストラリア・ニューサウスウェールズ大学の王衡(ワン・ハン)教授は、「90日間の協議期限までに中国が解決策を提示できなければ、アメリカが中国に圧力をかける手段として孟を使うかもしれない」と、語っている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ベネズエラ、今月初めの米軍による攻撃で兵士47人死

ワールド

EU、重要インフラでの中国製機器の使用を禁止へ=F

ワールド

イラン抗議デモ、死者3000人超と人権団体 街中は

ワールド

韓国、米のAI半導体関税の影響は限定的 今後の展開
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
2026年1月20日号(1/14発売)

深夜の精密攻撃でマドゥロ大統領拘束に成功したトランプ米大統領の本当の狙いは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世界一危険」な理由
  • 2
    世界最大の埋蔵量でも「儲からない」? 米石油大手がベネズエラ投資に慎重な理由
  • 3
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の船が明かす、古代の人々の「超技術」
  • 4
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 5
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試…
  • 6
    正気を失った?──トランプ、エプスタイン疑惑につい…
  • 7
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
  • 8
    イランの大規模デモ弾圧を可能にした中国の監視技術─…
  • 9
    日中関係悪化は日本の経済、企業にどれほどの影響を…
  • 10
    鉛筆やフォークを持てない、1人でトイレにも行けない…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率が低い」のはどこ?
  • 4
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画を…
  • 5
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世…
  • 6
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試…
  • 7
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 8
    正気を失った?──トランプ、エプスタイン疑惑につい…
  • 9
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 10
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救っ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中