最新記事

金融

株式市場にiPhoneショック 見飽きた悪材料が嫌気されたワケ

2018年11月13日(火)16時07分

11月13日、世界的な株安が、再び広がった。今回のきっかけは米アップルのスマートフォン「iPhone」の販売不振に伴うハイテク部品の需要減退懸念だ。写真はニューヨーク証券取引所で12日撮影(2018年 ロイター/Brendan McDermid)

世界的な株安が、再び広がった。今回のきっかけは米アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の販売不振に伴うハイテク部品の需要減退懸念だ。しかし、アイフォーンの売り上げ低迷は、目新しい材料というわけではない。にもかかわらず株安が広がったのは、関連企業の業績悪化が表面化し、ファンダメンタルズを重視する「裁量系投資家」が売りに転じたためと指摘されている。市場心理が悪化しており、日本株の下げが最もきつい。

大きい業績悪化のマグニチュード

12日の米株急落は、アイフォーン最新モデル向けの部品を製造する米レーザーセンサーメーカーのルメンタムが、大口顧客から供給の大幅削減を要請されたとして業績見通しを下方修正したことが大きな材料として意識された。顧客名は明らかにされなかったが、市場はアップルだと「断定」。影響を懸念する売りが広がった。

アイフォーンの販売不振は、全く新しい材料というわけではない。日本経済新聞は5日、スマートフォンの生産を委託している鴻海(ホンハイ)精密工業(フォックスコン)と和碩聯合科技(ペガトロン)に対し、アップルが10月に発売した「アイフォーンXR」の生産ライン増設計画を中止するよう要請したと報道。関連株も売られていた。

市場が驚いたのは、その業績悪化の度合いだ。ルメンタムは、四半期の純売上高予想を4億0500万─4億3000万ドルから3億3500万─3億5500万ドルに、1株利益予想を1.60─1.75ドルから1.15─1.34ドルに下方修正。利益は23─28%と3割近い引き下げとなった。

「業績下方修正のマグニチュードの大きさに、市場にくすぶっていた来年の業績悪化懸念が一気に強まった」(ピクテ投信投資顧問・ストラテジストの田中純平氏)という。

足元の米企業の業績は悪くない。リフィニティブのプロプライエタリー・リサーチによると、米S&P500企業の2018年第3・四半期決算は、前年同期比27.8%の増益となる見通しだ。しかし、市場の視線はもはや来年に向いており、貿易戦争の影響など先行きの業績に対する警戒感が株価を押し下げている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=S&P最高値更新、ヘルスケア株急落で

ワールド

金正恩氏「対立勢力の脅威に」、27日に多連装ロケッ

ビジネス

ユーロが節目の1.20ドル上抜け、21年半ば以来初

ビジネス

NY外為市場=ドル152円台、協調介入の思惑で 指
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 2
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化はなぜ不可逆なのか
  • 3
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに...宇宙船で一体何が?
  • 4
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパ…
  • 5
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 6
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 7
    「恐ろしい...」キリバスの孤島で「体が制御不能」に…
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    生活保護と医療保険、外国人「乱用」の真実
  • 10
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 1
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 2
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 3
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 4
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味…
  • 5
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 6
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 7
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 8
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 9
    40代からは「積立の考え方」を変えるべき理由──資産…
  • 10
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 4
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 5
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 9
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 10
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中